子犬のワクチン

今年の冬はかなり寒かったですが、先月末くらいから少しずつ暖かくなってきました。この時期は三寒四温とも言われ暖かい日が続いたと思ったら急に冬の寒さに逆戻りをすることもあります。人だけでなくペットも気温の変化で体調を崩しますので注意してくださいね。

さて、昨日はたまたま子犬ちゃんのワクチンが続いたので、子犬のワクチンについて簡単にお話をしておこうと思います。

犬のワクチンは混合ワクチンと狂犬病ワクチンがある

犬のワクチンには、混合ワクチンと狂犬病のワクチンがあります。狂犬病のワクチンは犬を飼う人には法律で義務付けられているワクチンで、打っていないと罰則を受ける可能性があります。また、もし狂犬病ワクチンを打っていないわんちゃんが人を噛んでしまった場合には、かなりのトラブルにもなります。必ず年に1度は打つようにしましょう。

混合ワクチンは法律で定められてはいませんが、病気の予防のために年に1度打つことをおすすめしています。特にパルボウイルスやジステンパーウイルスはかかってしまうと命の危険もある危険な感染症ですので、混合ワクチンはしっかり接種しておきましょう。

子犬の時期に複数回混合ワクチンが必要なわけ

基本的に1年に1回でいい混合ワクチンですが、子犬のうちは2回ないし、3回必要になります。

親から引き継ぐ移行抗体

子犬で複数回混合ワクチンが必要な原因となるのが、親からの移行抗体と呼ばれる物質です。

抗体とは、病原体が入ってきたときにそれを攻撃するために必要で、感染症に対する抵抗力となる物質です。抗体は、病原体が入ってきたときに犬の体が作り出すもので、ワクチンの目的も抗体を作らせるためなのです。

子犬は最初は抗体をほとんど持っていないため感染症に弱い状態です。そのため、母犬の初乳には抗体が含まれており、初乳を飲むことで母親から抗体をもらって感染症にかかりにくくしています。その抗体を「移行抗体」と呼び、子犬はさまざまな抗体を母犬からもらいます。

移行抗体がワクチンをブロック

移行抗体は生後2,3カ月くらいまでの間、子犬の体の中で働きます。その間に入ってきた病原体やワクチンは、子犬が抗体を作り出す前に母犬からもらった移行抗体がブロックして排除してしまいます。つまり、移行抗体がある状態では自分で抗体を作ることなくワクチンを排除してしまうため、ワクチンの意味があまりないのです。

幼い時期にワクチンを打つ理由

では、「移行抗体がしっかりなくなってからワクチンを打てばいいのでは?」と考える人もいると思いますが、そこにも難しい問題があります。移行抗体が無くなる時期はある程度個体差がありますが、移行抗体が無くなってしまうと抵抗力がほとんどない状態になってしまいます。

つまり、確実に移行抗体がなくなる遅い時期にワクチンを打つようにすると、抵抗力がない時期が長くなり、その間に感染症にかかってしまうリスクがあります。

もう一つの理由として、ワクチンのブースター効果というものがあります。これは、ワクチンを1度打つだけでは抗体の産生量が不十分であり、2回打つことでしっかり抵抗力が付くという考え方です。以前ワクチンを打っている大人の犬であれば、1年後にはワクチンの効果がゼロになっているわけではありませんので、1年に1回打つことでブースター効果が得られます。一方、子犬のように初めてワクチンを打つ場合は、2,3回打つことでブースター効果によるしっかりとした抵抗力が身に付くことになります。

子犬のワクチンは午前中がおすすめ

子犬にワクチンを打つ場合には、極力午前中に来ていただくことをおすすめしています。その理由はワクチンにはアレルギーのリスクがあるからです。

午前中をおすすめするのはアレルギーが出にくくなるからというわけでなく、アレルギーが出てしまった場合にもしっかりとした対応ができるからです。ワクチンのアレルギーには急性のアレルギー(アナフィラキシー)と遅発性のアレルギーがあります。アナフィラキシーは通常ワクチン接種後15分以内に出てきますので、ワクチン後しばらく病院で待ってもらえば大丈夫であることが多いです。

一方、遅発性のアレルギーは、ワクチン接種後数時間から半日程度で出て来ることがあります。夕方ワクチンを打った場合に、夜中にアレルギーが出てしまうと対処が非常に難しくなってしまうことがあります。当院では夜中でも極力電話がつながるようにはしていますが、やはり昼間に比べると対応が難しいケースも出てきてしまいます。成犬でもアレルギーが出ることはありますが、子犬の場合には成犬に比べると強いアレルギーが出ることも少なくないため午前中のワクチン接種が理想です。

最近は、非常にしっかりした飼い主さんも多く、ショップやブリーダーさんから言われた通りのワクチン接種日を守って動物病院に来て下さります。ただし、ワクチン接種予定日が2,3日ずれてしまってもそれほど問題はありません。無理して仕事終わりにワクチンに来ていただくよりは、少しずれてしまってもワクチンを打ってしばらくしっかり様子を見れる週末などの午前中に来院してもらえると安心です。

柴犬の子犬ちゃんが増加中

さて、数年前まで増加一辺倒だった犬の数がここ数年減ってきているということが話題になっています。そんな中、最近子犬ちゃんをよく見るようになった犬種がいます。そ

れが柴犬です。当院の周りでも柴犬さんを散歩されている方もよく見かけますし、当院にも子犬老犬合わせると、開院二週間ですでに4頭の柴犬が来院しています。

柴犬は非常に賢く、飼い主さんに従順なだけでなく、かわいらしさと凛としたたたずまいなどの見た目も非常に人気の高い犬種です。一方で、少し頑固で臆病な子も多く、動物病院でパニックになってしまう子も多い犬種です。柴犬は日本犬の特徴である「ご主人様に仕える」精神が強い犬種ですので、甘やかしすぎてしまうと精神的に不安定になりやすいと言われています。怒ってしつけるのは良くないですが、柴犬は特に甘やかしすぎは危険なようです。柴犬を飼う時には、飼い主さんが優しいけれど強いリーダーシップを見せて、引っ張っていってあげる育て方があっていると考えられます。

アイビーペットクリニックを犬の社会化と飼い主さんのコミュニティーの場に

当院周辺の北一色屋の意識では新しい家が多く建ち、最近引っ越されてきたという飼い主さんをよく聞きます。新しく引っ越してきたばかりの時は、知り合いの方も少なく、わんちゃんの社会化がうまく行かないこともあります。動物の病気の治療はもちろんですが、地域のコミュニティーを作り、情報交換や犬の社会化の場に当院がなれればいいなと考えております。もう少し子犬ちゃんが集まればパピークラスを開催したいとも考えていますので、またHPの情報を確認してみてくださいね。

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