子犬の風邪「ケンネルコフ」とワクチンと社会化

今日はヨーキーのくるみちゃんがワクチンを打ちに来てくれました。

ヨーキー 子犬 かわいい 動物病院

くるみちゃんは現在2か月半。元気いっぱいですが、まだ体重は700gしかありません。実はくるみちゃん、先週ワクチンを打ちに来てくれたのですが、1週間延期をしていたのです。

1週間前の診察

1週間前にワクチンを延期した理由が「ケンネルコフ」。名前を聞いたことのある人も聞いたことのない人もいるかもしれませんが、ケンネルコフはわんちゃんの風邪とも言われる病気です。

ケンネルコフとは

ケンネルコフの原因はウイルス感染症。ケンネル(犬舎)などの犬が密集する場所で出るコフ(Cough:咳)からその名前が付けられました。実際にはどのウイルスが原因なのかを特定することは少ないですが、パラインフルエンザウイルス(ヒトのインフルエンザウイルスとは違います)が悪さをしていることが多いと言われています。他にもアデノウイルスやジステンパーウイルス、細菌、マイコプラズマなどいくつかの病原体がケンネルコフの原因となることがあります。

ケンネルコフの原因となる菌は、病原性が強い物は多くはなく、通常は日和見感染(抵抗力が弱い犬に感染して症状を起こす)の菌だと考えられています。そのため、子犬や高齢犬など免疫力が弱い犬によく見られる病気です。

くるみちゃん、カフテスト陽性

さて、くるみちゃんはとっても元気で、食欲もあり、体調は良さそうとのことでしたが、咳をすることに飼い主さんが気付いていました。診察をしてみると・・・確かにとっても元気(笑)。診察台の上でも落ちそうなくらいに元気に暴れています。

でも、喉を触ると、「ケホケホ」咳が。喉を刺激したときに咳が出るかどうか調べる検査をカフ(コフ)テストと呼びます。カフテストはケンネルコフを調べるためのテストというよりは、気管の敏感さを調べるための検査です。カフテストが陽性(咳が出る)場合には、気管が敏感になっている証拠であり、気道の感染症や炎症などがあることが疑われます。

くるみちゃんはカフテスト陽性、つまり気管の炎症や感染症が疑われる状態です。もし検査を進める場合には、結膜やのどの奥の粘膜の細胞を少し取り、それを検査センターに出します(詳しくは動物専門の検査機関IDEXXのサイトも参考にしてみてください)。くるみちゃんの場合は症状が軽く、元気も食欲もあり、検査費用も少し高いためまずは1週間抗生物質を投与して様子を見ることにしたのです。

本日(1週間後)の再診

悪化することもあるため少し心配していましたが、そんな心配も関係なく、本日もくるみちゃんは元気に登場してくれました。体重は740g。体が小さいので体重の笛も多くはありありませんが、確実に増えています。元気も食欲もあり、咳も減ってきたとのことです。

カフテストが陰性に!

お話を聞いてさっそく身体検査。相変わらず台から落ちそうなくらいに元気にはしゃいでいます。お熱は37.9℃。健康な犬の平熱は38~39℃なので特に問題ナシです。

今回も喉を触るカフテストをしてみると・・・咳は出ません。お家では咳は完全に止まってはいないけれどましになってきているとのお話も聞け、ケンネルコフは改善傾向であるようです。

いざワクチン

ということで本日はワクチン接種をすることにしました。当院では、子犬のうちに病院に恐怖心を付けないよう、おいしいご飯(a/d)を食べてもらいながら身体検査やワクチンを行います。小さい体にもかかわらず食欲旺盛なくるみちゃん、a/dに夢中です。このままわからない間にワクチンをとちくっとした瞬間、「きゃん」となってしまいました。a/dに夢中になっていても注射はちょっと痛かったようです。。。

でもそれも一瞬だけで、その後はまたまたa/dに夢中でした。その後、いつも通りにワクチンのアレルギーチェック(子犬の場合には非常に危険なワクチンアレルギーが出ることがありますので、接種後15分は病院で待ってもらい、アレルギーチェックをします)を行い、問題がないことから帰っていただきました。

今後の予定

抗生物質はあと少し続ける

まだ咳が完全に収まっていないことと、体が非常に小さいことから抗生物質はもう少し続けることにしました。抗生物質はウイルスには効果はありませんが、細菌による二次感染を防いでくれ、ケンネルコフの症状が改善してくれるケースが多いです。後1週間飲んで大丈夫であれば抗生物質を中止して経過観察としました。

1か月後に再度ワクチン

基本的に1年に1度でいいワクチンですが、子犬のうちは2~3回打つ必要があります。詳しくはこちらのブログ記事も参考にしてみてください。

くるみちゃんもあと1回ワクチンを打って1年目のワクチンは終了になります。

散歩はぼちぼちとスタート

3回目のワクチンを打つまでは、ワクチンの効果がしっかりついていない可能性もありますが、当院ではできるだけ若齢のうちからの散歩をすすめています。もちろん、感染リスクの高い場所を散歩させるのは良くないので、ワクチンがしっかりついていないうちは抱っこで外に連れて行ってもらい、清潔な場所で少し降ろすという散歩のスタイルにしてもらっています。

小さいころから散歩に連れて行ってもらう理由が「社会化」です。社会化とは、わんちゃんが社会生活を営むことができるようにいろいろなものに慣れさせることです。一説によると社会化に適した「社会化期」は生後13週までと言われています。つまり、ワクチンが完全に終わるまで待っていると、社会化期の大部分を逃してしまうことになりかねません。

感染症のリスクと社会化期を逃すリスク、それを天秤にかけながらどちらも最小限にするために、うまく散歩をさせてあげて欲しいと考えています。

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