ノミ・マダニ予防はお早めに

本日、マダニが付いてしまったわんちゃんが来院しました。まだこの季節には、ノミやダニの予防はそれほど強くはすすめてきませんでしたが、そろそろ本格的にスタートしておいた方がいいかもしれませんね。

岐阜市内でもすでにダニが発生

本日来院したわんちゃんは5カ月のボーダーコリーちゃん。飼い主さんから、「ダニが付いてしまったけれどどうしたらいい?」と朝お電話をいただきました。お住まいの地域は長良。岐阜市内でも草むらにはすでにダニが増え始めているようです。せっかくなので、ダニについて簡単にお話いたします。

本日来院したわんちゃんに付いてしまったダニ。毛が長い子の場合、毛に隠れてしまって意外に探すのが大変。

製薬メーカーさんのホームページに、マダニの報告をまとめたマダニマップがあります。こちらを見ると、特に当院がある岐阜県岐阜市東部でマダニの報告が多く上がっています。

動物病院から報告が上がったマダニ感染のマップ。岐阜市東部や岐南町に多い

ダニがいるとなぜ悪い?

まず、ダニがどのようにわんちゃんに悪影響を与えるのかお話しいたします。

吸血されて貧血になる可能性

ダニは犬の血を吸って生きています。ダニによる吸血により犬が貧血をしてしまう可能性があります。

ただし、実際にはダニが数匹いても貧血をするほど血を吸われることはありません。ダニが大量に発生して体中に付いていたり、かなり小さな子犬や子猫では貧血のリスクはありますが、通常の生活で飼い主さんが気付いてあげられれば吸血によって貧血してしまうということはまずありません。

伝染病を媒介する

ダニが危険な理由はダニが媒介する伝染病にあります。

SFTS(重症熱性血小板減少症)

昨年話題になったダニ媒介性伝染病が「SFTS(重症熱性血小板減少症)」です。SFTSはダニから犬へ、ダニや犬からヒトに感染することもあり、死亡例も報告されている注意が必要な伝染病です。

SFTSに関してはこちらのページを参考にしてみてください。

バベシア症

バベシア症は、ダニの吸血により犬に感染する伝染病です。バベシアは犬の体内に入ると赤血球に寄生し壊してしまうため、犬に「溶血性貧血」を引き起こします。バベシア症の治療は困難になるケースも多く、命を落としてしまうことも少なくない病気です。

昔は西日本だけに存在する病気だと考えられていましたが、温暖化とともに日本全土に広まってきており、岐阜でも発生報告がある身近な病気です。

http://nichiju.lin.gr.jp/mag/06504/c3.pdf

ヘモプラズマ症

ヘモプラズマ症は、ダニやノミあるいは、感染した猫の咬傷から猫に感染すると考えられている原虫(寄生虫)です。ヘモプラズマはヘモバルトネラと呼ばれることもあり、野良猫などに比較的多い病気です。

ヘモプラズマ単独で重度の貧血を起こすことは多くはないですが、軽度の貧血があったり、他の病気との併発によって重症化することが多い病気です。

家で産卵するととっても大変

マダニは犬にくっついて血液を吸い、そのメスは2~3週間で産卵を開始します。その数なんと2,000~3,000匹。私は何度か幼ダニが卵から出てきたのを見たことがありますが、マダニも「蜘蛛の子を散らす」という表現がぴったり当てはまるように小さな幼ダニが一斉に逃げていきます。

そうなると、ダニをすべて回収するのは不可能になりますので、どこかに潜んだダニが成長して、犬や人が刺されてしまうという悪循環になってしまいます。

犬にダニが付いている!どうしたら?

では、犬にダニが付いていた場合、どうしたらいいでしょうか?

慌てて取ると口が残ってしまう

ダニは強力なあごで犬に噛み付いています。こちらの写真は、本日犬から取り除いたダニです。

マダニ(おそらくフタトゲチマダニ)。矢印の部分の顎で犬に噛み付いて吸血する

無理にマダニを引っ張ると、顎だけ犬の体に残ってしまうことが多いです。そうすると、その部位の感染や炎症がしばらく残ってしまうことがあります。できるだけ動物病院で取ってもらうことにしてください。(当院ではダニ取り処置は300円で行っています)

必ずダニ予防を

ダニはある程度吸血するまでは、非常に小さく見つけられないことが多いです。また、毛の中に隠れてしまっていると、吸血して大きくなっていてもわからないことが多いです。つまり、たとえ目に見えるダニを取り除けたとしても、他にダニが寄生している可能性が十分あるということです。

また、ダニが一度でも付いたということは、その子の生活圏にはダニが潜んでいるということになり、再度ダニが付いてしまうリスクは非常に高いです。

ダニがついてしまったことがある場合には、最低でも春~秋のシーズンはマダニ予防のお薬を使いましょう。ペットショップなどの市販の予防薬は、医薬品ではないため効果が不十分です。また、品質の悪いもので皮膚が荒れてしまうこともあります。マダニを見つけたら動物病院で取ってもらうとともに、予防薬も一緒に処方してもらうようにしてくださいね。

動物病院へすぐに連れていけない場合

なかなか動物病院へ連れていけない場合には、以下のような方法を取ってください。

薬だけ取りに行く

基本的には診察をしてからお薬をお出しする必要がありますが、今まで当院で薬を出したことがある犬や猫などであれば、同じお薬を出せることもあります。まずは一度当院にご相談ください。

当院に置いてある予防薬の中には、最短8時間程度でダニを駆除してくれる飲み薬もあります。無理に自分で取るより、薬に任せた方が安全に確実に駆除することができます。

どうしてもお家で取りたい場合は・・・

おすすめはしませんが、どうしても動物病院へ行ける時間がなく、お家でマダニを取りたい場合には、以下のような方法を取ってください。

  1. ダニが付いている場所にアルコールを付ける(アルコールで湿らせたティッシュをダニに付けておくなど)
    1分くらいするとダニが酔って噛む力が弱まります。
  2. できるだけ尖りの少ないピンセットでダニをつまむ
    つぶさないように注意
  3. 引っ張らずにその場でくるくる回す
    引っ張るよりも、くるくる回した方がきれいに取れます

他にもダニが付いている可能性もありますし、再感染のリスクも高いので、ダニを取ってもしっかり予防はしておいてくださいね。時間外でも診察可能な場合であれば、ダニの処置なども行うことができますので、一度お電話でお問い合わせください。

ノミ・ダニは1年中生息することも

ノミもダニも基本的には夏場に活動が高まりますので、春~秋の予防をおすすめしています。ただし、フィラリアと違い、冬場でも感染してしまうリスクは高く、今回のわんちゃんのようにフィラリア予防の季節より前に感染してしまうこともあります。

ダニは犬だけでなく人にも危険な伝染病を媒介します。そういったリスクをできるだけ減らすために、早めに予防をしておいてもらう方がいいかもしれませんね。薬にもいろいろな種類のものがありますので、気になる方は一度当院までご相談くださいね。

 

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