ペットフレンドリーな医療機器!半導体レーザーできること

デモで使って、その効果を実感したため、当院では2018年4月に半導体レーザーを導入しました。半導体レーザーと聞いてもピンとこない方も多いと思いますので、今回は半導体レーザーで何ができるのか、ご紹介させていただきます。

手術時の使用例

半導体レーザーは手術時に活躍します。

血管シール

レーザーによる熱で血管をシーリング(癒合・閉鎖)するのが血管シーリングです。当院では犬の動脈・静脈など少し太めの血管をシーリングするために使用しています。半導体レーザーで血管をシーリングし、手術用鋏(ハサミ)で切断することで出血のリスクを減らすだけでなく、炎症や感染の原因となり得る縫合糸を極力体内に残さない手術が可能になります。

血管シールに関しては以下の記事も参考にしてみてください。
半導体レーザーを使う手術のメリット

シール切断

シール切断は、血管シールよりも強めのレーザーを当てることで、血管のシーリングと切断を同時に行う手技です。太めの血管をシール切断すると、シーリングが完了する前に切れてしまい出血してしまうことがあるので、シール切断は猫の血管や犬の毛細血管など細めの血管に用いることが多いです。

また、皮下の毛細血管からのじわじわとした出血などの止血にも使えるため、乳腺腫瘍切除術など、皮下の出血が多くなる手術に使用することで、出血量と手術時間を減らすことができます。

切開

レーザーメスは皮膚の切開も行うこともできます。レーザーメスで切開することで、出血の少ない皮膚の切開を行うことができます。特に出血しやすい体質の動物や皮下の血管から出血しやすい大型犬の手術に有効です。

歯周病治療

歯石除去(スケーリング)の時に半導体レーザーを使うことで、歯周病の原因となる歯周ポケットの炎症や感染を早く良くすることができます。抜糸をしないと改善しないような重度の歯周病でも、半導体レーザーを使うことで完治させられる可能性があります。

その他

その他、椎間板ヘルニアの手術や逆さ睫毛の根治療法、緑内障の治療にも、半導体レーザーを使用することができます。ただし、現在のところ当院の設備と私自身の技術・経験が不足しており、これらの治療を当院では行うことができません。今後、勉強しながら経験を積むことができれば、こういった治療ができるようになる可能性がありますので、少しお待ちください。

外来での使用例

半導体レーザーは手術時だけでなく、外来でも非常に活躍します。

疼痛緩和

半導体レーザーの導入を決めた大きな理由の一つが、この疼痛緩和効果です。レーザーを当てることで、照射部位の血流を改善して疼痛を起こす物質が除去されるとか、疼痛を抑制する経路を活発化するなどと言われていますが、最近では神経の痛みの伝達を抑えることで、レーザーは疼痛緩和を実現すると考えられています。

以下のようなシチュエーションで、レーザーによる疼痛緩和作用が期待されています。

  • 術後
  • 椎間板ヘルニア
  • 慢性関節炎
  • 骨折や脱臼などの急性疼痛
  • 外傷
  • 皮膚炎
  • 痛みを伴うがんなど

創傷治癒促進

レーザーは局所の血流をよくするとともに、炎症を抑えてコラーゲン合成を活発化してくれるため、傷の治りを早める効果があります。術後の縫合部位に照射したり、大きな傷やアブセス(皮下の化膿)、褥瘡(床ずれ)などの治りが悪い傷に使うことで、早く傷を治すことができます。

レーザーを照射することで、創傷治癒促進と同時に疼痛緩和作用も期待できますので、ペットのQOL(生活の質)を改善することもできます。持ち運びも可能ですので、病院に連れて行くのが大変な足腰の弱った高齢犬や寝たきりの犬猫などにも、往診でレーザー治療を行うことができます。

蒸散

体表の腫瘍に強いレーザー光を当てることで、腫瘍を蒸発させる手技を蒸散と呼びます。蒸散は局所麻酔のみでできることが多いため、全身麻酔のリスクが高い動物の腫瘍の治療も可能です。特に、イボのように皮膚から飛び出したような腫瘍の治療にはとても効果的です。

ただし、蒸散ですべての腫瘍を治療できるわけではなく、手術による切除の方が確実に腫瘍を取りきることができるため、全身麻酔のリスクが少ない場合には蒸散ではなく手術による切除を選んだ方がいいことは多いということは理解しておいた方がいいでしょう。

レーザーサーミア

がん細胞は正常細胞に比べて熱に弱いという性質があるため、その性質を利用し、正常細胞に影響しない程度に熱を加えて腫瘍を小さくする治療がレーザーサーミアです。レーザーサーミアは体表の腫瘍にも体内の腫瘍にも使うことができる治療法です。ただし、腫瘍を劇的に小さくすることは難しいため、レーザーサーミアは根治を目指すのではなく、QOLを改善するための緩和的な治療になることが多いです。

ペットフレンドリーな治療を実現する半導体レーザー

以上のように半導体レーザーはさまざまなシチュエーションで活躍します。手術の出血や合併症のリスクを抑え、痛みや傷の治りをよくしてくれる、さらには手術不可能な腫瘍に使用することでQOLを改善するなど、ペットフレンドリーな治療を実現してくれる医療機器になります。そのため、当院のモットーの一つである、ペットフレンドリーな動物病院に一歩近けると考え、半導体レーザーを導入しました。

岐阜市はもちろんのこと、岐南町や各務原市、一宮市など岐阜市周辺の市町村への往診などでも使うことができますので、ペットを動物病院に連れて行くことが難しい場合にも一度ご相談くださいね。

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