わんちゃんの妊娠検診

当院を開院して4か月目となりました。開院以来初めて妊娠のわんちゃんが来院しましたので、ご報告いたします。

シーズー 4歳 ショコラちゃん(仮名)

今回、お母さんになるのは4歳のシーズー、ショコラちゃん(仮名)です。

ショコラちゃんも自宅で産まれた子で、お母さんも一緒に住んでいます。今回、4月上旬にお知り合いのシーズーちゃんと交配し、同居のわんちゃんの狂犬病予防接種と一緒に妊娠検診に来院されました。初診は5月後半、妊娠していれば50日弱になります。

妊娠鑑定は超音波検査

妊娠初期~中期の妊娠鑑定は、超音波検査(エコー検査)で行います。超音波検査では妊娠30日前後から妊娠鑑定が可能となります。

初診時にすでに明らかにお腹が大きかったショコラちゃんですが、他のお腹が大きくなる病気との鑑別や赤ちゃんの状態を知るために超音波検査を行いました。結果はやはり妊娠。胎児はすでに心拍が確認でき、4頭はいることがわかりました。子犬は折り重なっているため、超音波検査では確実に頭数を把握することはなかなか困難です。

初診時には、妊娠の有無と胎子が元気なことを確認し、注意点をお話しして帰っていただきました。幸い、ショコラちゃんの飼い主さんはショコラちゃんのお母さんで犬の出産の経験があり、また出産経験豊富な方も一緒にいていただけるということでしたので、大体犬の出産に関する知識は持っていただいています。

出産1週間前にレントゲン・超音波検査

そして、本日ショコラちゃんの妊娠検診2回目がありました。

本日は交配から約57日、通常犬の妊娠期間は60~63日くらいが多いと言われていますので、1週間以内に出産が始まる可能性が高いです。来院していただいてびっくりしたのはそのお腹の大きさ。お腹が地面に付くくらいパンパンに張っています。

本日はレントゲンと超音波検査を行いました。

レントゲン検査

レントゲン検査は胎児の頭数確認と骨盤と胎児のサイズの関係をチェックするために行います。

こちらは横向き(ラテラルのレントゲン写真です。赤丸の中に胎児が一頭入っています。その下に付けた模式図(私の稚拙な手書きですいません)のように右に頭、左に体があります。丸の中の数字は赤ちゃんの頭です。なんと、6頭もいました!(小型犬では3~4頭が多いです)

こちらは仰向け(VD)のレントゲン写真です。仰向けのレントゲン写真も頭数確認に使いますが、もう一つ重要なチェックポイントとして骨盤と胎児の頭のサイズを比較します。もし頭のサイズが骨盤の産道部分より大きければ産道を通過することができず、引っかかってしまうことがあります。

ショコラちゃんの産道は胎児の頭に比べ十分なサイズがあり、物理的にはうまく産める可能性が高いと判断できます。

超音波検査

レントゲン検査では、胎児の大きさや頭数などはわかりますが、胎児が元気かどうかはわかりません。飼い主さんのご希望もあったため、本日も超音波検査を行いました。今回は動画を保存しましたので、以下をご覧ください。

お分かりになりますか?体全体も心臓もとっても元気に動いています。

犬の妊娠・出産の基本的な情報

犬の妊娠出産の詳細についてはまた時間があれば記事にしたいと思っております。

ここでは簡単にご説明させていただきます。

  • 妊娠期間(排卵日から出産まで)は60~63日(交配日からは57~67日と比較的幅広い)
  • 妊娠頭数の平均は3~5頭
  • 犬は安産の動物として知られているが、小型犬では難産になることも多い
  • 発情出血が収まりかけの時期(発情出血の始まりから10日前後)が交配適期
  • 交配30日前後から妊娠鑑定可能
  • お腹が明らかに大きくなるのは妊娠45日くらいから
  • 出産が近くなると体温の低下、巣作り行動、乳汁分泌などが起こる
  • 出産にかかる時間は1頭当たり30分~2時間程度(初産では長くなる傾向にあり)
  • 胎子の大きさは100g~500g程度(犬の大きさによってかなり幅があります)
  • 犬の帝王切開は全身麻酔

まとめ

犬の出産は難産になり、帝王切開が必要になるケースも多いです。特に出産は夜中になることも多く、その場合にどうしていいかわからなくなることも少なくありません。わんちゃんが妊娠した可能性がある場合には、必ず胎子の数や大きさ、元気かどうかを調べるために動物病院を受診し、注意点などをしっかり効聞くようにしておいてくださいね。

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