子犬・子猫の黒い耳垢に注意!痒みの強い耳ダニ症とは

ここ最近、子犬ちゃん子猫ちゃんの来院が増えてきました。病院に来てくれる理由はさまざまですが、幼い犬・猫に多いのが寄生虫症。ノミ、回虫、ニキビダニ・・・いまだにいろいろな寄生虫がいますが、その中でも痒みが非常に強く、子犬・子猫のストレスになってしまう寄生虫が「耳ダニ」です。

先日、耳ダニの子猫ちゃんの診察がありましたので、ご報告いたします。お家のわんちゃん、猫ちゃんは大丈夫ですか?

耳の中に真っ黒な耳垢が・・・

今回紹介する猫ちゃんは次郎ちゃん(仮名)、3か月の子猫ちゃんです。もともと皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)にかかってしまい、ペットショップ併設の動物病院からセカンドオピニオンできてくれていた猫ちゃんです。皮膚糸状菌によって、耳や顎、手の指などに脱毛がありましたが、そちらに関しては塗り薬で治まってきていました。

そんな次郎ちゃん、耳垢がひどいということで来院されました。耳もかなり痒がっているということです。実際に見てみると、確かに黒い耳垢が耳道内に大量にあります。

これはすべて次郎ちゃんから取れた耳垢です。こういった黒く乾燥気味の耳垢は耳ダニの特徴になります。

耳垢を顕微鏡で見てみると・・・耳ダニが大量に

このように耳垢が増えている場合、外耳炎を起こしているのは間違いないですが、その原因を調べるためには耳垢の検査が必要です。この耳垢を顕微鏡で見てみると・・・

 

わかりますか?手足を活発に動かして移動する耳ダニ(ミミヒゼンダニ)が顕微鏡の画面に見つかりました。さらには、こんな耳ダニもいます。

 

どうやら交尾をしているようですね。耳ダニは犬や猫の耳道内で交尾⇒妊娠⇒出産を繰り返し、永遠に増えていきます。耳垢の中にダニだけでなくその卵が見つかることも多いです。

耳ダニとは

耳ダニは、ミミヒゼンダニとも呼ばれる目に見えない小さなダニです。犬や猫の皮膚に住む疥癬に近い種類のダニで、犬や猫の外耳道に棲み付いて、その耳垢や古くなった組織などを食べて生活しています。

耳ダニの特徴

耳ダニによる外耳炎には以下のような特徴があります。

  • 黒いカサカサした耳垢が出る
  • 強い耳の痒みがある(頭を良く振る、頻繁に耳を掻く、耳を触るとすぐに耳を掻くなど)
  • 子犬・子猫に多い

耳ダニの検査

耳ダニは、今回のように耳掃除をして出て来た耳垢を顕微鏡で観察することで比較的簡単に診断することができます。

ただし、ダニの数が少なかったり、耳掃除が難しい子の場合には、顕微鏡でミミダニを見つけるのが難しいことがあります。その場合には、耳ダニの試験的治療を行って診断していくこともあります。

※試験的治療とは:試験的治療とは、確定診断が付いていない病気に対し、治療薬への反応を見ながら診断・治療をしていくという方法です。耳ダニの場合には、耳ダニを殺すことのできるお薬を使うことで劇的に症状が改善しますので、確定診断が付いていなくても、その薬を使って症状が改善すれば耳ダニ症という診断になります。

耳ダニの治療

耳ダニの治療には、耳ダニを殺す駆虫薬を使って治療を行います。

駆虫薬にはいくつかありますが、当院では「レボリューション」を使うことが多いです。レボリューションは、1回背中に垂らすだけでミミダニに対して強い効果を示してくれるスポットオン製剤で、副作用もほとんど経験したことがない安全性の高い薬です。また、ノミや回虫、フィラリアなど猫ちゃんに多い寄生虫に対しても効果があるため、とても使いやすい薬になっています。

まとめ

外耳炎は犬でも猫でも非常に多い病気であり、特に春~夏にかけて多く発生します。その中でも耳ダニはかゆみが非常に強く、動物にとても大きなストレスを与えてしまう病気です。

耳ダニは子犬・子猫に多い病気ですので、子犬や子猫をお家に迎えたら、全身の健康チェックとともに耳ダニのチェックも一緒にしておくのが安心です。気になることがあればお気軽に当院にご相談くださいね。

 

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