嘔吐の中に虫が!子犬・子猫に多い回虫症について

先日、当院の患者さんから夜に電話がかかってきました。

「犬が嘔吐した中にうねうね動く虫が混じっている」

可愛いペットが虫を吐いたなんてことになればびっくりしますよね。しかし、子犬や子猫にはこういった症状はたまにあります。その原因は回虫症。衛生面がかなり改善した日本でもいまだに多い寄生虫です。今回は、子犬や子猫を飼い始めた人必見、回虫症についてお話いたします。

回虫とは

回虫とは、犬や猫のお腹の中に住む「消化管内寄生虫」の一種です。長さが10㎝ほどの細長い虫で、ミミズのようにうねうね動く「線虫(せんんちゅう)」に分類される虫です。

実際に飼い主酸に持ってきていただいた回虫。アルコールに付けたため少し縮んでいま菅、本来はもう少し長いです。

ほとんどのケースでは、回虫は母親から感染する「母子感染」により子犬や子猫に感染します。大量に感染していなければそれほど症状を出すことはありませんが、下痢や嘔吐、栄養不良などの症状が出ることもあります。

マカロンちゃんの場合

今回のわんちゃんはチワワのマカロンちゃん(仮名)、4カ月齢の子犬ちゃんです。

以前の検便では検出されず

実はマカロンちゃん、以前にも下痢で受診していただき、検便をしていたのです。回虫の診断は、虫自体が出て来るよりも検便で虫卵を検出することで行うことが多いです。条虫など他の消化管内寄生虫に比べ、回虫は便の中に卵を産むケースが多いです。しかし、今回のマカロンちゃんの場合、以前2度行った検便では虫の卵は見つかっていませんでした。

その時は、一般的な整腸剤などの処方により下痢は治まっていたようです。

数日嘔吐と下痢が増えてきた

そして、虫を吐く数日前から嘔吐や下痢が増えてきていたそうです。ただし、元気や食欲があったため様子を見ていたら、夜になって虫を吐いたためびっくりしてお電話いただいたという状況です。

回虫自体はすぐに命にかかわるものではありません。たとえ回虫を吐いてしまっても、緊急的に診察が必要なわけではありません。ただし、回虫のせいで全身状態が悪化してしまうと、子犬や子猫では低血糖症から危険な状態になってしまうことがあり、その場合には緊急対応が必要になります。

マカロンちゃんのお話を聞くと、それほどぐったりなどはしていないということでしたので、様子を見て次の日に来ていただくことになりました。

翌日の診察

翌日朝一番でマカロンちゃんが来院してくれました。

状態は良さそうで、元気いっぱいです。食欲もあるとのことでとりあえず安心です。植えの写真は、その時持ってきていただいた寄生虫で、確かに回虫と思われます。ですが、今回検便をしてもやはり虫の卵は見つかりませんでした(回虫でも検便で見つからないことはたまにあります)。

回虫の治療として、回虫にも効果のあるフィラリア予防薬(イベルメックDSP)を処方し、整腸剤や吐き気止めの注射と飲み薬を処方して帰っていただきました。

まとめ

お腹の中の寄生虫は、いまだに多い病気です。今回のように検便だけでは見つからないケースもありますので、子犬や子猫を飼い始めた場合には、最低1度は駆虫をしておく方がいいかもしれませんね。

他にも子犬・子猫で気を付けて欲しいことはたくさんあります。子犬・子猫を飼い始めたらまずは一度当院に相談してみて下さいね。

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