弱った足腰に効果!週1度のレーザー治療をしている柴犬のお話

犬も猫も人と同じく高齢化の時代。犬や猫は8歳以上でシニアと呼ばれる年代に入りますが、そこをはるかに超えて長生きするわんちゃん猫ちゃんも増えてきています。当院でも開院4か月ですでに15歳以上のご長寿わんちゃん猫ちゃんが10頭以上来院しています。

ペットの長寿は、一緒にいられる時間が長くなるというメリットはありますが、その分色々な病気と付き合っていかなければならないという側面も持ちます。今回は、レーザー治療で調子が良い変形性関節炎のおばあちゃん柴犬さんのお話です。

足がふらつく15歳の柴犬

ココアちゃん(仮名)が当院を受診したのは4月中旬、今から3か月前になります。フィラリア予防やワクチンのために来院されました。

後足がふらつく

その時にお話を色々聞いていると、後ろ足がだんだん弱くなってきたとのこと。飼い主さんも「お歳だからねー」と半分仕方ないかと考えているようでした。

高齢の柴犬には変形性関節症(加齢に伴う関節の変化が原因の慢性の関節炎)が非常に多く発症するため、そういったものではないかなとお話しし、関節のサプリメントを試していただきながら様子を見ていただくことにしました。

2か月後再診⇒レーザー治療開始

そして2か月後の6月中旬、ココアちゃんが再診に来てくれました。やはりまだ足はふらつくとのこと。

そのころ、ちょうど当院で半導体レーザーを導入したところで、飼い主さんに半導体レーザーの治療についてお話ししました。

  • 週に1回の治療でいいこと
  • 費用が安いこと(再診代を含め1,500円程度)
  • 痛みやストレスが全くない治療であること

などから、飼い主さんにもわんちゃんにも負担が少ない治療であったため、飼い主さんもやってみようという気になってもらえました。

レントゲンで異常を確認

レーザー治療をするためには、まず悪い場所を見つけなければなりません。患部に正確に当てることができなければ、レーザー治療の意味はありません。そこで飼い主さんにその旨をお話しし、レントゲンを撮らせていただきました。

ラテラル(横向き)のレントゲン。白い長方形に見えるもの1つ1つがが腰骨(腰椎)です。①の部分では、腰椎の前後に渡刈が診られます。②にも少しとがりがみられます。また、③の部分では骨の端の部分が少し白くなっています。

こちらのレントゲン写真では、腰骨の一部(赤丸部分)に骨の変形が見つかっています。この変化は、年齢とともに骨が変形し、そのせいで痛みや麻痺を起こす「変形性脊椎症」と考えられます。ココアちゃんの場合には、麻痺まではいっていませんが、後足に力が入らず、軽度の神経障害が疑われます。

また、③の部分では高齢のわんちゃん猫ちゃんに多い馬尾症候群と呼ばれる関節疾患も疑われます。

また、こちらの画像は、ココアちゃんを仰向けにして撮ったレントゲン画像(VD像)です。触診時に股関節の動きが悪いように感じたために撮影しましたが、股関節には大きな異常は認められませんでした。

以上より、ココアちゃんは腰の3カ所に異常があると判断し、その部位を中心にレーザーを当てることにしました。

レーザー治療の実際とその効果

レーザー治療の実際

ココアちゃんのレーザー治療は、レントゲンで異常が確認された3カ所に半導体レーザーを計10分間ほど当てていきます。もちろん痛みや苦痛などはなく、慣れて来ると気持ちいいのか、うっとりと当てられているわんちゃんも多いです。

ココアちゃん、効果ばつぐん

ココアちゃん、レーザー治療でかなり効果が出ているようです。飼い主さんのお話では、レーザーを当てて帰るとき、すでに足がしゃきっとするとのことです。

今までは必ず車で移動をしていましたが、レーザーを当て始めてからは、レーザー治療の後はお家まで歩いて帰れるようになったと報告してくれました!レーザーを当てて2~3日は足取りが力強いようで、その間は足が滑らずに歩けているそうです。

さらに、レーザーを当て始めてから、抱っこしても怒らなくなったということです。どうやらココアちゃんには、飼い主さんや私のような獣医師でもわからない痛みもあったようで、半導体レーザーの疼痛緩和効果によって慢性痛からも解放されたようです。

週に1回来院中

ココアちゃんは今も週に1度来院し、レーザー治療をしています。だんだん慣れて痛いことをしないということがわかってくれたのか、とっても大人しくレーザー治療を受けてくれます。治療が終わった後、ゆっくりゆっくり歩きながら、お母さんと一緒に自分の足で家まで帰る姿はとてもほほえましく、その姿を見るのは毎週私の癒しになっています。

まとめ

高齢のわんちゃん猫ちゃんが増えてきて、ココアちゃんのように慢性関節炎などから足腰が弱くなり、うまく歩けなくなってしまうペットを見かける機会は増えてきました。

若いころのように足腰の機能を元通りに戻すことはなかなか難しいですが、レーザー治療は足腰の弱りにもとても有効な治療法です。また、本人しかわからない痛みがあるケースもあり、レーザーを当てることでココアちゃんのように体を障られるのを嫌がらなくなることもあります。

レーザー治療は高齢のわんちゃん猫ちゃんのQOL(生活の質)を改善するだけでなく、わんちゃんと飼い主さんの関係も改善してくれる可能性があります。「最近足腰が弱ってきたな」とか、「どこか痛そうにしている」「体を触ると嫌がる」など気になることがあれば、一度当院までご相談くださいね。

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