新導入医療機器情報~Wifiカメラ付き顕微鏡

先日、新規医療機器として、Wifiカメラ付き顕微鏡を導入しました。

当院が目指す動物医療の一つ、「わかりやすい診断」「クライアントドゥケーション」などのために導入した新たな医療機器をご紹介します。

顕微鏡とは

顕微鏡は、小さなものを拡大して見るための機器です。理科の時間に微生物や細胞などを見たのも顕微鏡ですが、動物病院でも顕微鏡は必要不可欠な機械です。

動物病院で顕微鏡を使う機会とは

動物病院では毎日のように顕微鏡を使っています。

  • 検便(糞便検査):下痢の診察や子犬や子猫を飼い始めたときの健診
    ・消化管内寄生虫の有無(回虫・条虫など)
    ・細菌のバランスや活性
    ・未消化物の有無
  • 尿検査:血尿・頻尿の診察
    ・結晶(結石の成分)の有無(ストラバイト・シュウ酸カルシウムなど)
    ・炎症細胞や腫瘍細胞などの有無(膀胱炎・膀胱腫瘍など)
    ・細菌の有無(細菌性膀胱炎など)
    ・尿円柱の有無(腎臓のダメージの有無など)
  • 皮膚検査:皮膚の痒みや脱毛の診察
    ・細菌/真菌/寄生虫の有無(膿皮症・疥癬など)
    ・毛の状態のチェック(自傷か脱毛かなど)
  • 細胞検査:皮膚の腫瘤(出来物)や内臓の腫瘤の検査
    ・腫瘍細胞の有無(リンパ腫や肥満細胞腫など)
    ・炎症の有無
  • 血液検査:貧血や白血球増加症などの検査
    ・赤血球の状態(再生像やバベシアなど)
    ・白血球の状態(炎症の状態や腫瘍細胞の有無など)
    ・血小板の状態(血小板減少症や巨大血小板など)

このように、顕微鏡は下痢、皮膚病などのよく見る病気から、腫瘍(がん)や貧血など命に係わる病気まで非常に多くの病気の診断に使われるとても重要な医療機器です。

メイジテクノ MT51は何ができる?

今回導入したのは医療用顕微鏡の「メイジテクノ MT51」です。学会の展示会場で見つけ、デモ機を導入し、品質を確認して購入した顕微鏡です。

診察室で顕微鏡画面が見られる

この顕微鏡を導入した最も大きなメリットは、「飼い主さんと一緒に顕微鏡画面を見ながら何がうつっているか説明できる」ということです。

今までは獣医師である私が顕微鏡をのぞき、その結果を飼い主さんにお伝えするという診察方法でした(ダニなどは簡易のモニター顕微鏡でお見せすることができましたが、性能が低く、細胞や細菌などは見てもらうことができませんでした)。

しかし、その方法では飼い主さんに悪い細胞や細菌などを見てもらうことができず、理解していただくのが難しかったり、実感が弱いという問題がありました。

 

皮膚糸状菌の顕微鏡画像

 

以下の写真は、顕微鏡画面をWifiでiPadに写したものです(実際に飼い主さんにも診察室で見ていただけるものと同じです)。

皮膚糸状菌の顕微鏡画像。犬の毛(画面中央の黒い太い線)から伸びる糸状菌の菌糸(細いくねくねした多数の線)が確認できます。

カビがいると言っても目に見えないとわかりずらいですが、写真のように実際にカビの菌糸が見えると、とても実感がわきませんか?

皮膚の腫瘍

また、以下の写真は皮膚の腫瘤(出来物)に針を刺して、その細胞を染色した顕微鏡画面です。

画面の中に数え切れないほどの腫瘍細胞が見られます。iPadにうつすことができるので、どの細胞が腫瘍の細胞で、その細胞の特徴(核の大小不同や核小体の明瞭化などの悪性所見の有無)も画面を見ながら詳しくお話しすることができます。

より細かい異常がわかるようになった

医療用顕微鏡の倍率は通常、最大1,000倍(接眼レンズ10倍、対物レンズ4~100倍)であり、これは以前の顕微鏡と全く同じです。今回新しい顕微鏡で変わったのが、その分解能です。

分解能とは、細かい2点の違いを見極める能力です。倍率が同じでもこの分解能の違いにより、細かな部分を観察できるかどうかが変わってきます。以前の顕微鏡に比べると、今回導入した顕微鏡の分解能は格段に高くなり、細かな異常も非常にわかりやすくなりました。

より正確で分かりやすい診察を目指して

当院では、より正確でわかりやすい診察を目指して、必要に応じた医療機器の導入を進めています。

診察や治療に関してわかりずらいことがあれば、ご遠慮なくおっしゃってくださいね!

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