虫を吐いた!?子猫に多い回虫症の症状と治療法

犬や猫の飼い方や衛生状態が改善し、予防薬が普及したことにより、犬や猫の感染症は非常に少なくなりました。昔は当たり前のように見られた犬のフィラリア症も、予防薬が普及したことでほとんど見ることが無くなりました(予防をしないと感染してしまうリスクはまだまだ高いです)。

しかし、いまだに少なくならない寄生虫症があります。その一つが犬や猫の回虫症。回虫は便に出て来ることもあれば嘔吐と一緒に出て来ることもあります。先日当院を受診した、回虫症の猫ちゃんの例をもとに、猫の回虫症についてご紹介します。

回虫症の猫ちゃん

今回ご紹介するのは、くろちゃん(仮名)、雑種猫♂、推定3か月です。もともと野良猫ちゃんだった子を保護して飼われた猫ちゃんです。

突然虫を吐いた!?

くろちゃんは元気に成長しており、元気や食欲も問題ありませんでした。そんなくろちゃんが突然嘔吐をし、その中に細長い虫のようなものが混じっていたということです。

嘔吐物に虫が混じっていたため、びっくりした飼い主さんが連絡し、くろちゃんを連れてきてくれました。

身体検査は問題なし

くろちゃんの診察は、まずはお話しを聞いて身体検査を行うことからスタートします。くろちゃんは、栄養状態を含め成長には全く問題なく、触診や視診、聴診などの身体検査では全く問題は見当たりません。

嘔吐物を見てみると・・・

持参していただいた嘔吐物を見てみると・・・嘔吐物の中でうようよ動いている細長い虫が見つかりました。その虫が下の写真です。

長さ2㎝強、太さ1㎜程度の細い虫、回虫ですね。

治療は背中に垂らすスポットオン製剤

回虫症は、以前は飲み薬の駆虫薬で治療をしていましたが、最近は背中に垂らすスポットオン製剤によって簡単に治療や予防を行うことができます。スポットオン製剤は約1か月の間駆虫や予防効果があるため、現在感染している回虫の治療だけでなく、1か月の間は再感染の予防が可能になります。

当院には、レボリューションとブロードラインというスポットオン製剤が置いてありますが、くろちゃんには駆虫範囲の広いブロードラインを使用しました。野良猫ちゃんには回虫以外にも、ノミからうつる瓜実条虫やカエルなどを食べてうつるマンソン裂頭条虫などが寄生していることが多いため、それらを駆虫・予防できるブロードラインは、元野良の猫ちゃんには1度は付けておいてほしい薬です。

猫の回虫について

猫の回虫について簡単にまとめておきます。

  • 感染源:母猫の母乳・感染猫の糞便・ネズミの捕食などによる経口感染
  • 症状:下痢・嘔吐・発育不良(少量の感染では無症状であることも多い)
  • 治療:駆虫薬(スポットオン製剤がおすすめ)
    (駆虫薬により簡単に治療ができることがほとんど)
  • 人への感染:まれに糞便中の虫卵による経口感染の報告あり
    (回虫の虫卵は、糞便排泄後10~20日で感染力を持つようになるため、糞便を毎日片づけることで予防は可能)

子犬・子猫は回虫症の予防を

今回紹介した猫の回虫症だけでなく、犬の回虫症もまだまだ多く見られます。

幸いなことにペットの回虫症には良い薬が販売されており、しっかりと予防や駆虫をすることができます。回虫予防効果を持ったフィラリア予防薬も多いです。

子犬や子猫を飼い始めたときには必ず動物病院で検便をし、必要に応じて回虫の駆虫や予防をするようにしてくださいね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です