暖房器具の事故に要注意

今年の冬は暖冬と言われながらも雪が積もるなど寒さが続いております。寒さで調子を崩すわんちゃん猫ちゃんも多く、当院でも入院の子がいると24時間暖房の暖房や加湿器が欠かせません。

冬場は膀胱炎などの泌尿器疾患や気管虚脱などの呼吸器疾患など病気が多くなる季節ですが、暖房器具による事故にも注意が必要です。

こたつのコードを噛んでしまったチワワちゃん

先日当院を受診したのは、こたつのコードを噛んでしまったチワワのリク君です。

感電によるけいれん

リク君は普段は家の物をかじったりすることのないお利口な子ですが、昨日の夜にこたつの中で突然痙攣を起こしてしまったそうです。その原因が、こたつのコードを噛んでしまったことによる感電です。その後、ちょっと元気はなかったものの、比較的落ち着いたのでそのまま朝まで様子を見ておられたとのことでした。

当院へ電話が入ったのが本日午前中。元気も食欲もないということでご来院いただきました。

感電の怖さ

こたつのコードをかじって感電すると、全身に電流が流れます。家庭用電源の感電であればよほどのことがなければ即死することはないと考えられますが、子犬や子猫、心臓などに持病を持っている動物ではその危険もゼロではありません。

また、犬や猫の感電で怖いのは肺水腫です。これは、電流が流れることで、肺の毛細血管の機能が落ちてしまい、毛細血管から漏れ出した水が肺の中に溜まってしまう状態であり、肺水腫は呼吸困難から命を落とす危険もある非常に怖い病態です。

また、それ以外にも感電した部位(コードをかじった場合には口の中)に高熱が加わることでやけどしてしまうこともあります。

リク君の状態は・・・

リク君の診察に入る時にまずは全身状態をぱっと全体的に観察しました。どのわんちゃんでも診察の最初は飼い主さんの稟告を聞くことと、身体検査をすることから始まります。リク君はパッと見る限り明らかに状態が悪いということはなく、緊急的な処置は必要なさそうです。

呼吸状態も特に問題なく、聴診でも心音や肺音(呼吸音)に異常は認められず少しほっとします。しかし、口の中をのぞくと、、、舌の右半分が白くただれてしまっています。唇の内側にも軽い出血があります。このただれや出血は、こたつのコードをかじった時に一気に流れた電流によるやけどだと考えられます。

体内の状態を把握するための検査

身体検査では、口の中のやけど以外に大きな異常はありませんでしたが、念のためしっかり状態を把握するために検査を行いました。

レントゲン検査

まずは感電で最も怖い肺水腫のチェックです。聴診や呼吸状態の視診では明らかな異常は認めませんでしたが、レントゲンでも問題ないかどうかを確認しました。

上の2枚がリク君のレントゲンですが、肺のX線不透過性(白さ)などもなく、肺水腫は起きていないようです。

血液検査

血液検査では、感電による内臓のダメージをチェックすることができます。リク君の血液検査では、感染や炎症の数値である白血球やCRPの数値が上昇していましたが、肝臓や腎臓などの内臓のダメージはほとんどなさそうでした。

リク君の治療

リク君はこたつのコードで感電してしまったものの、内臓にはダメージがなく、口の中に重度のやけどがあることが分かりました。治療はやけどに対する治療がメインになります。

口の中のやけどはかなり痛みが強く、しばらく自分でご飯が食べられない可能性が高いです。そこで、点滴と鎮痛薬、抗生物質の投与を行いました。今後どの程度でご飯が食べられるようになるかはわかりませんが、やけどの程度が激しいためしばらく通院が必要になると思われます。

リク君は当院から遠くにお住まいで、翌日以降はかかりつけの先生を受診されました。

まとめ

犬も猫も真冬の寒さは体調不良の原因となり、暖房をつけてあげることで快適に生活することができます。どの程度の暖房が必要なのかは、その犬や猫の種類や大きさ、年齢、健康状態によって変わってきます。

暖房は愛犬・愛猫が快適に健康に生活するために必要である一方で、時として事故の原因になることがあります。

  • ストーブによるやけど
  • エアコンによる重度の乾燥からの咳や脱水
  • こたつによる熱中症

など暖房器具による事故は意外と多いです。

今回の陸ちゃんはこたつのコードをかじってしまい、口の中に重度のやけどを負ってしまいました。暖房だけでなく、電化製品のコードなども事故の原因となりますので、注意してあげてくださいね!

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