セカンドオピニオンについて

今年は暖冬と言われていますが、なかなか寒い日が続いていますね。1月・2月は動物病院が最も空いている時期であり、当院も正月明けに忙しかった数日を除き、徐々に落ち着いてきています。

そんな中最近増えてきているのがセカンドオピニオンです。そこで今回は、当院で行っているセカンドオピニオンについてお話しします。

セカンドオピニオンとは

セカンドオピニオンは、ヒトの医療では一般的な受診方法であり、主治医以外の医師を受診し、その医師から「セカンドオピニオン(第二の意見)」を聞く行為です。

セカンドオピニオンは、担当医を替えたり、転院したり、治療を受けたりすることだけを指す言葉ではありません。まず、ほかの医師に意見を聞くことがセカンドオピニオンです。その結果、その新しい病院で診断・治療を受けるケースもあれば、元の病院に戻って同じように治療を受けることもあります。「紹介」と「セカンドオピニオン」は厳密には違いますが、時にセカンドオピニオンのために他の病院を紹介することもあります。

人の医療で一般的なセカンドオピニオンですが、動物医療の世界でも近年ではセカンドオピニオンが増えてきています。

当院のセカンドオピニオンの例

ここ最近、当院にセカンドオピニオンを受けに来られる方が増えておりますので、その具体的な例をいくつかあげさせていただきます。

目やにがひどいケアンテリア

当院の開院初期に来ていただいたケアンテリアちゃんは、ひどい目やにが続いているということでセカンドオピニオンを受けに来られました。

セカンドオピニオンを受けに来られる方で多いのが、病気が治らないということもありますが、「何の病気でどのような治療を受けているのかがわからない」というケースです。主治医の先生からはっきりしたことが聞けず、どうしたらいいのかわからずセカンドオピニオンを受けに来られる方は想像以上に多いです。

このケアンテリアちゃんも目薬を差しているものの、実際どんな病気でどうしたらいいのかわからないまま言われる通り目薬を差していました。

身体検査をし、シルマーティアテスト(涙の量を測る検査)などの眼科検査の結果、乾性角結膜炎(KCS=いわゆるドライアイ)と診断し、その目薬を処方しました。数週間後には目やにも落ち着き、現在も点眼と定期検診で経過は良好です。KCSは治る病気ではありませんが、治療によってよい状態を維持することの可能な病気です。

 

KCSのお話はこちらの記事も参考にしてみて下さい。当院は眼科も診察しますが、眼科専門ではないため、当院では診断や治療ができないわんちゃん猫ちゃんは、眼科専門の動物病院に紹介し、セカンドオピニオンを受けに行ってもらうこともあります。上の写真のわんちゃんは、KCSに合併症が絡んで複雑な状態になっていたため、眼科に強い動物病院を紹介させていただきました。

真菌症が治らない子猫

この子猫ちゃんは他院で真菌症(皮膚糸状菌症)と診断され、内服治療を受けていたけれどどんどんひどくなってきたとのことで来院されました。

全身に脱毛が広がり、内服薬だけでは難しいと判断し、シャンプー療法を実施しました。

シャンプー療法を併用することで数週間後には毛が生えてきて、糸状菌は完治しました。詳しくはこちらのページを参考にしてください。

皮膚病のセカンドオピニオンは非常に多いです。この猫ちゃんは、診断ではなく治療法を変えることで病気が治った例となります。他にも、皮膚病としては、顎ニキビがひどくなった猫ちゃんや、皮膚病を繰り返すわんちゃん(甲状腺機能低下症と診断)など、セカンドオピニオンを受けに来ていただき、病気の治療につなげることができました。

原因不明の体調不良のトイプードル

他院で治療を受けていたけれど、原因不明の体調不良があったトイプードルちゃんです。多飲の検査や経過で気になる点があったため、ホルモンの特殊検査を行った結果、アジソン病(副腎皮質機能低下症)と診断をしました。投薬によって状態は改善し、現在もホルモンの内服は必要なものの、病気になる前と同じように元気に生活しています。

このように、他の動物病院を受診して原因がわからない例でも、セカンドオピニオンで診断治療が可能になる例もあります。特にアジソン病は特殊な検査をしないと診断できないケースもあり、原因不明でセカンドオピニオンを受けに来られるケースの多い病気です。こちらの記事も参考にしてみてください。

セカンドオピニオンでも解決しないケースも

以上のように、セカンドオピニオンによって診断や治療が可能になる例がある一方、セカンドオピニオンを受けに来ていただいたけれど、より良い治療法が提示できなかった例もあります。それ以上良い治療法のない病気や、当院では検査や治療のできない病気、他の治療法を試したけれど効果がなかった例など、セカンドオピニオンに来ていただいても良い結果を残せないこともあります。

それでも、セカンドオピニオンに来ていただくことで、飼い主さんが愛犬や愛猫の現状を把握して、納得していただけることがほとんどであり、セカンドオピニオンを受けていただいてよかったという結果につながっていることが多いです。

セカンドオピニオンを受けるメリット・デメリット

セカンドオピニオンを受ける一般的なメリット・デメリットは以下の通りです。

セカンドオピニオンを受けるメリット

  • 原因不明の病気の診断につながる可能性がある
  • 現在治療中の病気のより良い治療法が見つかる可能性がある
  • 普段聞けないことを聞くことができる
  • 診断・治療が変わらなくても「第二の意見」を聞くことで納得して治療を行うことができる

セカンドオピニオンを受けるデメリット

  • 新しい病院にかかるので、今までの経過を詳しく伝える必要がある
  • 再検査が必要になる場合、検査費用が再度かかる
  • 病気の診断やより良い治療を必ず受けることができるわけではない

セカンドオピニオンの受け方

では、具体的にどのようにセカンドオピニオンを受けるのが良いのでしょうか?私が考える最も効果的なセカンドオピニオンの受け方は以下の通りです。

  1. 可能であれば、現在の主治医に「セカンドオピニオンを受けたい」と伝える
    これを伝えるのは難しいケースもあるので、「可能であれば」お伝えしましょう。そうすることで、現在の主治医の先生の見立てや治療方針を聞くことができ、場合によっては今までの検査結果や治療内容がわかる物を渡していただけることがあります。当院にかかられている飼い主様が、他の動物病院でセカンドオピニオンを受けたい場合にはその旨お伝えいただければ検査結果や薬の内容をお伝えしますので、聞きにくいかもしれませんが、お気軽にご相談くださいね。
  2. セカンドオピニオンを受けられそうな動物病院を探す 

    次に、セカンドオピニオンを受けられそうな病院を探します。主治医の先生に紹介してもらえる場合はそれが一番です。主治医の先生にセカンドオピニオンを受ける相談ができない場合には自力で探します。その場合には

    ・知人に聞いてみる・専門医を探す
    ・HPを参考にする
    などという方法があります。

  3. セカンドオピニオンを受けたい動物病院に電話で確認する 

    候補の動物病院が決まったら、まずは電話をかけてみましょう。電話をかける理由は以下の通りです。
    ・希望しているセカンドオピニオンが受けられるかの確認
    (当院では整形外科のセカンドオピニオンは受け付けていませんので、電話を受けた時点で診ていただけそうな動物病院を紹介します)
    ・準備するもの(検査結果や薬、症状が出たときの動画など)の確認
    ・来院日時の確認(検査によっては特定の日時に受診する必要があったり、絶食が必要になるケースがあります)
    ・予約が取れるかの確認(セカンドオピニオンの診察は時間がかかることも多いです)

  4. 必要なものを持って受診
    日時の指定や必要なものがあればそれを守って受診します。

セカンドオピニオンを受けた後は

セカンドオピニオンを受けた後は、以下のような選択肢があります。

  • その病院で治療を受けていく
  • 元の動物病院に戻る
  • 近所の他の病院を紹介してもらう

当院では、どの方法を取るのかは飼い主様に決めていただいております。場合によっては、専門医のある二次病院を紹介させていただくこともあります。

セカンドオピニオンを受けることは悪いことではない

セカンドオピニオンは、現在の主治医の先生を裏切る行為だと考える方もまだまだ多く、躊躇するケースも多いようです。その気持ちはよくわかりますが、セカンドオピニオンを受けることにはたくさんのメリットがあり、やましいことではありません。

特に、1人の獣医師が、内科も外科も眼科も歯科もすべての診療科を担当することの多い獣医療では、他の獣医師の「第二の意見」が病気の治療に有効になるケースも多いです。また、セカンドオピニオンを受けることで、疑問が晴れて主治医の先生の治療を安心して受けられるようになることも少なくありません。

当院ではセカンドオピニオンも積極的に受け入れていますし、当院の患者さんでセカンドオピニオンを他の動物病院で受けたいという飼い主さんも歓迎します。当院でセカンドオピニオンを受けたい方も、当院からセカンドオピニオンを受けに行きたい方も、まずはお電話でご相談くださいね!

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