アイビーペットクリニックは、国際ねこ医学界(The International Society of Feline Medicine: ISFM)のCat Friendly Clinic(CFC)のシルバーランク認定を受けております。猫の飼い主さんに知っておいていただきたい、ISFMとCFCについてご紹介させていただきます。

国際ねこ医学界(ISFM)とは

ISFMは、国際的な猫のチャリティ団体であるInternational Cat Care (www.icatcare.org)の獣医療部門で、英国のイングランドおよびウェールズで登録されている団体(チャリティ番号117342 )です。

猫の医療にかかわる獣医師や看護師に、猫の医学や手術に関する最新で正確な情報を与えるために作られた組織です。それだけではなく、猫に対して優しい扱い方や猫が安心できる環境作りを推奨し、獣医師や看護師を通して、飼い主さんが猫により良い生活をさせてあげられる助けをすることも目標としています。

英語が読める方は以下のサイトを参考にしてみてください。

https://icatcare.org/vets/about-isfm

キャットフレンドリークリニック(CFC)とは

キャットフレンドリークリニック(CFC)は、ISFMが提唱する猫に優しい病院の条件を満たした動物病院に認定される称号です。CFC認定にはかなり細かい条件が組み込まれていますが、主な条件は以下の通りです。

  • 猫が安心して待てる待合:犬猫別の待合室・キャリーバッグをベンチの上に置ける・猫の目隠しが置いてあるなど
  • 猫の入院室が充実:十分な大きさの入院ケージ・猫が安心して入院できる工夫(タオルや高い場所に乗れるなど)・感染症の猫を隔離できるなど
  • 設備のそろった手術室:手術中の生体モニターや滅菌など
  • スタッフ教育:年間○○時間以上のセミナーや自主学習など
  • 診察による猫の優しい扱い:タオルの使用など猫のストレスを最小限にする工夫
  • 診察室の充実:診察室でレントゲン画像が見られる・体温や血圧測定ができる・耳鏡や検眼鏡があるなど

以上が主な要件であり、これらのすべてを満たす動物病院を、ゴールド・シルバー・ブロンズの3段階で認定しております。ゴールド・シルバー・ブロンズ併せて2018年現在、日本では113の動物病院が認定されています。当院は2018年3月にシルバー認定をいただき、今現在ゴールド認定の要件を満たせるよう努力しております。

ドッグフレンドリークリニックがなくてキャットフレンドリークリニックがあるわけ

現在のところ、ドッグフレンドリークリニックという認定は存在しません。

猫の動物病院受診ストレスは大きい

犬も猫も動物病院を受診することでストレスを感じる子は少なくありませんが、猫の方がストレスを感じやすいです。「犬は人につき、猫は家につく」と言われるように、猫は違う場所に連れてこられると大きな不安とストレスを感じてしまいます。動物病院の受診も猫にとって大きなストレスを伴うことも少なくありません。

そんなストレスをできるだけ少なくするよう、動物病院の設備や猫の扱い方に気を付けようということでキャットフレンドリークリニックという認定システムが産まれたのです。

ドッグフレンドリーという概念はある

キャットフレンドリークリニックがドッグフレンドリーではないということではありません。犬も動物病院へ行くストレスを感じる子はいますし、扱い方や動物病院の施設によってもストレスの受け方は変わってきます。

当院でもキャットフレンドリーだけでなく、ドッグフレンドリーを実践すべく、

  • リラックスして待てる外待合
  • 外の見える開放的な待合室
  • ストレスの感じにくい採血方法や保定法
  • 明るさをゆっくり変えることのできる調光可能な入院室

などの工夫をさせていただいております。

キャットフレンドリークリニックを選ぶメリット

キャットフレンドリークリニックを選ぶことで以下のようなメリットがあります。

猫のストレスが少ない

キャットフレンドリークリニックでは、ハード面(待合や入院室などの設備)もソフト面(スタッフの知識や猫の扱い方、リラックスグッズなど)でも猫のストレスを最小限にするための条件を揃えています。「動物病院で暴れるから連れて行きにくい」という飼い主さんも多いようですが、そういった場合は一度キャットフレンドリークリニックに来院してみてください。猫は一度暴れるスイッチが入ってしまうとパニックになってどうしようもなくなることがありますが、スイッチを入れないようにしてあげれば非常に大人しく診察をさせてくれることがあります。

当院でも、他院に連れて行ったが「暴れて爪切りできなかった」という猫が、とっても大人しく爪切りさせてくれた例もあります。みんながみんなそういうわけではありませんが、動物病院の環境とスタッフの扱い方次第で猫のストレスが大きく変わることは間違いありません。

検査データに違いが出る

強いストレスを感じると、精神的な負担だけではなく、検査データにも影響してしまいます。

ストレスにより、血圧や血糖値が上がって健康なのに異常なデータが出てしまったり、膀胱炎が悪化してしまうこともあります。特に、定期的な通院が必要な糖尿病や慢性腎臓病の猫で、血糖値や血圧に変動が出てしまうと、病状の過大評価をしてしまったり、投薬量が過剰になってしまうこともあります。また、通院するたびに高血糖や高血圧を起こすと病気のコントロールがうまく行かないこともあります。

単に暴れるだけでなく、病気の診断や治療にも通院ストレスは大きな影響を与えるのです。

スタッフの意識が高い

かなり昔は動物病院で動物のストレスを考えるということ自体ほとんどありませんでした。最近では、動物のストレスに関しての意識は高まっていますが、昔ながらの考え方の動物病院ではストレス対策という概念がほとんどなく、犬と猫で扱い方を変えるということもありません。その点、キャットフレンドリークリニックに登録・認定されている病院では、いかにストレスの少ない検査や治療ができるのかということを意識しながら診察を行っています。

また、登録した動物病院は、インターネットで猫の医学に関する資料を見れたり、勉強会に参加するなどし、よりよいねこ医療を目指した取り組みを行っています。猫のストレスや医療に関する意識が高く、受診することでさまざまな情報を得ることができるというのもキャットフレンドリークリニックを選ぶメリットになります。

キャットフレンドリークリニックはねこにやさしい病院

キャットフレンドリークリニックはねこにやさしい病院の認定システムです。動物病院を選ぶ基準はいろいろあり、実際には連れて行って診ないとわからないこともありますが、猫を動物病院へ連れて行くことに不安のある飼い主さんはキャットフレンドリークリニックを選んでみてもいいかもしれませんね。