膀胱結石

こんばんは。

アイビーペットクリニックの院長、後藤です。

今日紹介させていただくのは、2月15日開院日に来ていただいた11歳のキャバリアちゃん(ソラちゃん:仮名)です。

主訴は、膀胱に砂があると言われているのでチェックしてほしいということでした。膀胱に砂や石があるかどうかの検査は、超音波検査、尿検査、レントゲン検査などが有効です。まずは、費用も負担も少ない超音波検査から行いました。今までのかかり付けの先生からは、砂はなくなったようだというお話を聞かれていたようで、大丈夫だろうと思いながら超音波検査をしたところ、膀胱に気なる白い影が。。。

超音波検査だけでは砂なのか石なのかの区別がつかないため、飼い主さんと相談の上、レントゲンを撮ってみました。その画像がこちらです。

 

画面をカメラで撮影しているため、少し見にくくて申し訳ありませんが、写真左、膀胱辺りに何やら白い陰影が。デジタルレントゲンの機能を使いちょっと画面を拡大して見てみましょう。

やはり膀胱内に白い石が確認されます。しかもこの石、よくよく見ると、かなりとがった部分がありそうです。

わんちゃんの膀胱にできる結石にはいくつかの種類がありますが、主なものはリン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)とシュウ酸カルシウムに分けられます。石の種類によって内科治療を行ってみるか、外科手術が必要なのかが分かれるため、尿検査もさせていただきました。尿検査によって結石の成分である結晶が見つかれば、膀胱内の結石の種類が推定できます(確定はできませんが)。

尿検査の結果、尿に含まれる結晶は陰性でした。結晶が出ていない場合、膀胱結石のうち結晶が出にくいシュウ酸カルシウムが疑われます。シュウ酸カルシウムは食餌による溶解療法が難しい結石であるため、手術が必要となります。特に今回のソラちゃんのように、とがった結石があると膀胱の刺激が強く、出血や痛みが出やすいため手術の必要性は高くなります。

そのため、本来であれば手術を積極的にすすめたい状況です。しかし、実はソラちゃんの問題はそこだけではありませんでした。さまざまな検査の前に、身体検査で心雑音が見つかっていたのです。心雑音は、僧帽弁閉鎖不全症のような心臓の弁膜症でよく聞かれる音であり、心雑音が聞こえるということは心臓に何らかの異常が出ているということです。心雑音が出ているから手術はできないということではないですが、麻酔のリスクが高くなり、かなり慎重に考えなければなりません。

今回は、麻酔のリスクもあり、飼い主さんも手術は極力避けたいという考えであること、さらにソラちゃんには現在明らかな痛みなどの症状が出ていないため、少し経過を見ることになりました。

膀胱結石は基本的に手術で取れば治る病気です。ただし、膀胱結石から命に関わる状況になることは少なく、麻酔のリスクが高い場合にはそのリスクを取ってまで手術をすることがいいのかどうかは不明です。緊急性のある病気でもないため、ソラちゃんは悪化がないか様子を見ながら治療の相談をしていくことになりました。どんどん大きくなってきたり、痛みや血尿がひどくなるようであれば、手術の相談が必要となるかもしれませんが、痛みや悪化がなく、ソラちゃんが元気で長生きできるよう祈っております。

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