粟粒性皮膚炎?好酸球性皮膚炎?
今日来院したアビシニアンのチャコちゃん(仮名)。
チャコちゃんが来院した理由はこの皮膚炎。
お腹の皮膚がかなりただれてしまっています。現在5歳ですが、3才くらいから皮膚の炎症を繰り返しているそうです。
かかりつけの動物病院で皮膚の真菌の検査などをして問題ないと言われ、ひどくなると飲み薬を飲むという生活を繰り返しているようです。
見た目の症状(専門用語)は、腹部の「脱毛」「痂疲」「局面」です。こういった見た目の皮膚炎は非常に多いのですが、何らかのきっかけで猫が舐めることで、ざらざらした猫の舌の刺激によって皮膚が荒れてかさぶたができてしまいます。粟粒のようなブツブツの見た目から「粟粒性皮膚炎」と呼ばれることがあります。
また、こういった皮膚炎では、好酸球と呼ばれるアレルギー反応を引き起こす炎症細胞が浸潤することから、「好酸球性局面」という病名が付くケースも多いです。
粟粒性皮膚炎や好酸球性局面を明確に分類することはなかなか難しいです。これらの皮膚炎は、アレルギーや精神的なもの、腹部の痛みなどが原因となることが多いです。
今回は、皮膚の検査を行い、寄生虫などが見つからないことを確認し、ステロイドと抗生剤の投薬を行いました。同時に食事がアレルギーを起こしている可能性を考え、アレルギー食への変更も考えていただいております。
このように、動物の皮膚病ではいきなり確定診断を付けることができず、薬への反応を見ながら診断・治療を行うことも多いです。治療への反応が悪ければ、治療方針の変更やさらなる検査が必要になるかもしれません。
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