新規導入医療機器情報――ICU(集中治療室)が新しくなりました!

先日血液検査の機械が新しくなりましたが、本日もう一つ新しい医療機器が入りました。

動物用ICU装置 Dear M11

当院では、いつでもスタッフの目に届く検査室にICUがありますが、そのICU入院室に付ける扉を今回導入しました。今までもICUの扉はありましたが、「Dear M11」を入れることで以下のようなことができるようになりました。

Dear M11でできること

  1. 酸素濃度が自動で設定できる!
    今までのICU扉では、酸素室を作ることはできましたが、酸素濃度の自動調節はできませんでした。今回導入したDear M11は、設定さえしておけば最大40%まで自動で部屋の中の酸素濃度を調節してくれます。状態が悪く酸素がたくさん必要な動物には高濃度の酸素を、徐々に回復して酸素室から離脱したい子には25~30%程度の軽めの酸素室を作るということもできます。
  2. 動物の状態に合わせた室温設定ができる!
    ICUに入る動物の温度管理は大切です。衰弱して低体温の動物もいれば、呼吸困難や熱中症から体温が上がって冷やさないといけない動物までさまざまです。今回導入したICU装置は、タッチパネルで温度設定をすることで常にICU内の温度を一定に保つことができます。
  3. 酸素室内を除湿できる!
    ICU内は、酸素を逃がさないため密閉空間になります。密閉空間で呼吸が悪い動物がハァハァと呼吸をすると、ICU内の湿度が異常に上がってしまいます。除湿をしないと、30分程度で部屋の中の湿度が90%以上になるということも珍しくありません。除湿できるのも、このICU装置のメリットの一つです。
  4. 看護記録を付けられる
    Dear M11には、簡易の看護記録を付ける機能が付いています。フードや水、巡回記録などを付けることで、いつ頃どんなことをしたのか、スタッフで共有できるとともに、飼い主さんに見ていただくこともできます。

 

ICUを使うシチュエーション

動物病院では、ICUを使う機会は非常に多いです。ICUを使う代表的なシチュエーションは以下の通りです。

  1. 心不全による肺水腫など循環器・呼吸器疾患
    特に高齢の小型犬には、僧帽弁閉鎖不全症という心臓病が多く、進行すると肺に水が溜まる肺水腫になります。酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を体外に排泄するために空気が入っていなければいけない肺に水が溜まってしまうと、体が酸欠状態になり非常に危険な状態に陥ってしまいます。薬が効いて肺の中の水が少なくなるまでICUで酸素吸入することが、緊急状態を脱するために必要になります。
    肺水腫以外にも肺炎や気管支炎、気管虚脱、胸水、気胸などの呼吸器疾患でも酸素室となるICUを使うことは多いです。
  2. 術前術後の酸素化
    心臓や呼吸器系が弱っている高齢の犬や猫では、全身麻酔が必要な手術で酸素濃度が下がってしまうことがあります。また、呼吸器が弱いチワワやフレンチブルドッグなどの短頭種は若くても酸欠のリスクが高くなります。手術前後にICUで酸素吸入することで、術中術後の低酸素血症によるトラブルのリスクを減らすことができます。
  3. 衰弱による低体温
    状態が悪い犬や猫では、しばしば低体温症を起こすことがあります。点滴やお薬などで状態を改善させつつ、ICUで酸素吸入と体温管理をすることでより回復を早めることができます。
  4. 熱中症
    体温が異常に上がってしまう熱中症では、ハァハァ息をするパンティングによって余計に熱が上がってしまうことがあります。体を冷やすとともに酸素を吸入させることも熱中症の管理では大切であり、温度・湿度・酸素濃度を管理できるICUは熱中症治療にも威力を発揮します。

 

当院も2年目を迎え、徐々に重症のわんちゃん猫ちゃんが増えてきました。そんな時に、安心して大切なペットをお預かりすることのできる医療機器が「動物用ICU装置 Dear M11」です。

今後もより良い医療のために必要性の高い医療機器を順番に導入して、頼れる地域の動物病院を目指してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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