マダニ注意報発令中~今年はマダニ感染が多いです

春は予防の季節。動物病院には、狂犬病予防接種やフィラリア予防薬の処方のためにたくさんのわんちゃんが来院します。

そんな中忘れて欲しくないのが、ノミダニ予防です。2019年はGWくらいからマダニが付いてしまったわんちゃん猫ちゃんがとても多く来院しています。

マダニが付いていないかどうかのチェックポイント

まずは、愛犬・愛猫にマダニがいないかどうかをチェックするポイントをお教えいたします。

チェックする場所

犬や猫に感染するマダニは、自然界では草むらに隠れて動物が来るのをじっと待っています。そして、動物が発する熱や二酸化炭素に反応し、犬や猫の体に飛び移り、噛みつきやすい場所を探して皮膚に噛みつき、吸血します。

そのため、草むらに最初に突っ込んでいく場所にマダニが付着しやすく、顔や前足にマダニが付くケースが非常に多いです。また、草むら沿いに散歩する場合には、体の側面(例えば河原を左手に見ながら散歩する場合には、左半身)にマダニが付くケースもあります。

顔(耳の後ろ)にマダニが付いてしまった猫ちゃん。この子は「顔にイボができている」という主訴で来院しました。

ノミは腰~しっぽの付け根に多いですが、マダニは顔回りを中心にチェックしてみて下さい。特に、耳タブや目の周りは毛が薄くマダニが噛みつきやすいようで、それらの部位への感染が非常に多く見られます。

チェックの方法

マダニは吸血してある程度体が大きくならないとわからないケースが多いです。吸血前でも目には見えますが、毛の中に隠れているダニを探すのは非常に難しいです。

吸血したマダニは体が膨らみ1㎝程度の円形の物体として見つかります。ブラッシングやスキンシップの時に偶然見つけるというケースも多いため、頻繁にブラッシングやスキンシップをとることは大切です。

チワワちゃんに付いたマダニ。かなり血を吸って大きくなっています。これくらいの大きさになると、体を触ったときに硬いしこりのようなものが触れます。

マダニを見つけるためには、顔回りを中心に、毛をかき分けたりブラッシングをしてみて下さい。

マダニを見つけたときの対処法

マダニを見つけたときには以下のような対処法があります。ただし、後ほどご説明する「マダニ媒介性感染症」がありますので、素手で触らないように注意してください。

動物病院で取ってもらう

最も確実なのは動物病院で取ってもらうことです。動物病院でマダニを取ってもらうことで、ダニの頭(歯)が皮膚の中に残ってしまうようなトラブルのリスクが減り、見つけきれないマダニの駆除・予防も可能になります。

別々のわんちゃんから取れたマダニ。左は吸血が少ない状態、右はほぼお腹いっぱいのマダニです。犬や猫の血をお腹いっぱい吸うと、マダニは真ん丸に膨れ上がります。

すぐに動物病院へ行けない場合に家できれいに取る方法

すぐに動物病院へ連れていけないけれど、マダニが付いてしまっているという場合には、以下のような対処法をおすすめします。

自宅にノミ・マダニ予防薬があればそれを付ける(飲ませる)

ノミ・マダニの予防薬は駆除薬でもあるため、投薬後数時間~2日程度でマダニを駆除することができます。処方薬と比べ、ペットショップなどの市販薬は効果が薄く、肌荒れなどの副作用も多いようですので、市販薬を使用するのはあまりお勧めいたしません。

自宅でマダニを取る

自宅でマダニを取る場合には、マダニの口が犬や猫の皮膚に残らないよう、以下の手順で取りましょう。

  1. 消毒用アルコールをティッシュやガーゼにしみこませ、マダニに付ける
    アルコールによって、マダニが噛む力が弱ります。これだけでマダニが落ちることもあります。
  2. マダニのお尻の部分をピンセットなどでつまみ、マダニをくるくると回す
    ただ引っ張るだけだとマダニの口が残ってしまうことがあります。くるくる回すことでマダニが噛むのをやめるため、マダニをきれいに取ることができます。

ただし、マダニが1匹ついている場合、見えないところに数匹ついているケースが多いです。お家でマダニを取れても必ずマダニ予防薬を付ける(飲ませる)ようにしましょう。

マダニに噛まれることでうつる病気

マダニは皮膚を噛んで血を吸うため、皮膚が荒れたり、大量寄生で貧血を起こすことがあります。ただし、マダニが怖いのはそれだけではなく、病気を媒介することです。マダニが噛むことでうつる病気の代表は以下の通りです。

  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群):人・犬・猫数年前から出てきた比較的新しい病気で、マダニに噛まれた犬・猫・人などに発熱、元気・食欲の低下などを起こし、死亡例も複数報告されている怖い病気です。岐阜では発症例は報告されていませんが、SFTSのウイルスを持つダニは確認されており、いつ感染例が出てもおかしくありません。
  • バベシア感染症:犬
    マダニが持つバベシアという原虫(寄生虫)が犬の体内に入ることで起こる病気です。重度の貧血を起こし死亡率の高い病気です。
  • ヘモプラズマ症:猫
    ヘモプラズマという寄生虫によって起こる猫の感染症です。マダニだけでなく猫同士のケンカでもうつると言われています。外に行く猫の多くが感染しているとも考えられており、重症例やFeLVとの混合感染で貧血を起こします。

その他、人の感染症としてダニ媒介脳炎や日本紅斑熱などの病気もマダニに刺されることでうつります。

マダニを予防するためには

マダニ対策で最も確実なのは、しっかり予防することです。最近はノミ・ダニ予防のお薬のバリエーションも増え、犬・猫に合ったノミダニ予防薬を1000円~購入することができます。以下に当院で取り扱っているノミダニ予防薬をご紹介します。

スポットオン製剤

背中に垂らして使うノミダニ予防薬です。飲み薬が難しいわんちゃん猫ちゃんにおすすめです。

  • マイフリーガード:犬・猫
    もっともお安く提供できるノミ・マダニ予防及び駆除薬です。1か月に1回背中に垂らすことでノミやマダニをしっかり予防してくれます。
  • レボリューションプラス:猫
    猫用のノミ・マダニ予防薬になります。猫のフィラリアや回虫、耳ダニなども同時に予防することが可能です。犬用のレボリューションもありますが、マダニ予防効果がありません。
  • ブロードライン:猫
    猫用のノミ・マダニ予防薬です。フィラリアや回虫、条虫など幅広い寄生虫を駆除することができます。外に行く猫や保護したばかりの猫におすすめです。
  • ブラベクトスポット:猫
    猫用のノミ・マダニ予防薬です。ブラベクトスポットの特徴は、1度使うと、3カ月間ノミ・マダニの予防効果があることです。そのため、年に2~3回使えばノミやマダニの予防期間をカバーすることができ、つけ忘れ等が少なくなります。

経口製剤(飲み薬)

飲むことでノミやマダニの予防及び駆除ができる薬です。頻繁にシャンプーをするわんちゃん猫ちゃんや、皮膚が弱い子におすすめです。

  • シンパリカ:犬
    犬用のノミ・マダニ予防薬です。他の予防薬に対して耐性を示すノミやマダニへも効果が高く、確実に予防したい方におすすめです。
  • ネクスガードスペクトラ:犬
    犬用のフィラリア予防薬ですが、ノミやマダニの予防効果もある「オールインワン」製剤です。おやつタイプで嗜好性が非常によく、当院でも人気の高い予防薬となっています。
  • パノラミス:犬
    ネクスガードスペクトラと同様、ノミやマダニにも効果のある「オールインワン」のフィラリア予防薬です。ネクスガードスペクトラより若干安いので、錠剤が飲めるわんちゃんにはおすすめです。
  • ブラベクト錠:犬
    犬用のノミ・マダニ予防の経口薬です。ブラベクト錠は1回飲むと3か月はノミやマダニの予防効果のある薬です。飲み忘れが怖い飼い主さんには一押しの予防薬です。当院では、フィラリア予防を注射薬(プロハート12)で、ノミダニ予防をブラベクト(年2-3回)で行っている飼い主さんも多いです。

ノミダニ予防のご相談はお気軽に

今回ご紹介したマダニや、犬や猫に付くノミは、いまだに非常に多くみられる寄生虫です。特に、温暖化の影響によりノミやマダニの活動できる季節が増え、ノミやマダニに感染してしまうわんちゃん猫ちゃんが増えている印象すらあります。

今年は去年の数倍のペースでマダニが付いてしまった犬・猫が来院しています。犬や猫だけでなく人にも病気を媒介しますので、愛犬・愛猫のためにも飼い主さん家族のためにもノミやマダニの予防はしっかりしておきましょう。

わからないことがあればお気軽にご相談くださいね!

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