爪を切らないとどうなる?~爪切りの必要性とは~
5月は動物病院の繁忙期。1年を通して最も忙しい季節です。しばらく投稿を更新できず申し訳ありませんでした。
さて、久々の投稿の今回は、わんちゃんねこちゃんの日常ケア「爪切り」についてです。爪切りをしないで放置してしまった場合にどうなるのかも、実際のわんちゃんの例もご紹介しながらお話いたしますね。
爪が伸びすぎたら・・・
まずは爪が伸びすぎるとどうなるのかを見てみましょう。
爪が伸びすぎたチワワちゃん
以下の写真をご覧ください。

チワワちゃんの後ろ足。小指(第5指)の爪が伸びすぎて巻いてしまい(赤丸)、肉球に刺さってしまっている(黄矢印)
爪が伸びすぎてしまった結果、爪が巻くように伸びて肉球に刺さってしまっています。散歩の有無や体重の重さにもよりけりですが、数か月爪切りをしないとこういった状態になってしまうことがあります。
爪を切ってみると
爪が刺さってしまっている場合、まずは刺さっている爪を切って抜いてあげる必要があります。痛みを伴う処置ではありますが、このチワワちゃんは大人しく切らせてくれました。切った後の写真がこちらです。
爪が刺さっていた場所には大きな穴が開き、刺さっていた肉球は炎症で赤く腫れてしまっています。
他の爪も伸びていたため短く切るとともに、消炎剤と抗生剤の注射をし、消炎剤を処方しました。数日で赤みや腫れも落ち着き、肉球の穴も埋まって調子が戻ったということでした。
爪切りについてよくある質問
爪切りについてよく聞かれる質問とその答えをまとめてみました。
- 爪切りはどれくらいの頻度でやるべき?
⇒ 爪切りの頻度は、その子の爪の伸び方によって変わってきます。外で硬い地面を良く歩くわんちゃんの場合、ほとんど必要ないケースもあります。散歩が少ない小型犬の子ではだいたい1か月に1回必要となります。猫も大体1~2か月に1回の爪切りが必要となります。 - 爪切りの方法は?
⇒ 爪切りのやり方は、以下のページをご覧ください。
「11月4日こいぬとこねこのじかん~爪切りをやってみよう!~」 - 動物病院でも爪切りはしてもらえる?
⇒ 当院では、犬・猫の爪切りを受け付けております。犬500円、猫300円となっております(暴れてしっかり抑えなければならない場合や伸びすぎて肉球に刺さっているには、追加料金が必要になることもあります) - 爪が刺さらなければ伸びても大丈夫?
⇒ 爪が伸びすぎると
・爪が地面に当たって歩きづらくなる
・爪が尖って抱っこするときに痛い
・爪が折れやすくなる
・血管や神経が伸びてしまい、短く切れなくなる
などと言ったデメリットがあります。爪が刺さらなくても、定期的に爪切りをしてあげてください。 - 爪を切り過ぎて血が出てしまったらどうしたらいい?
⇒ 爪の根元には血管が走っており、深爪をすると出血します。通常は、2-3分ティッシュなどでしっかり圧迫することで止血することができます。
爪切りをお家で定期的にやる方は、犬猫の爪の止血剤「クイックストップ」を持っておくといいかもしれません。
圧迫やクイックストップで止血できない場合には、止血機能異常などがある可能性もあるので、動物病院にご連絡ください。
爪切りは定期的に
犬や猫の代表的な日常ケアの爪切りですが、放置しておくことでわんちゃん猫ちゃんが痛い思いをしてしまうことがありますので、スキンシップの一つとして、定期的に爪切りをしてあげてください。
爪切りがお家でできない場合には、お気軽にお爪切りだけでもご来院くださいね!