新規導入医療機器~半導体レーザー治療器CTC-15~
先日、新しい医療機器「半導体レーザー治療器CTC-15」を導入しました。当院の理念である「ペットフレンドリー」を実践してくれる強い味方である半導体レーザー治療器についてお話いたします。
昨年導入した半導体レーザー「CHEESEⅡ」に関してはこちらの記事をご覧ください。
半導体レーザー治療器CTC-15とは
半島対レーザー治療器CTC-15は、CHEESEⅡの機能をさらに高め、外来時の治療に特化した治療専用機となります。(CHEESEⅡは腫瘍切除や血管シーリングなどの手術にも使えるのに対し、CTC-15は手術に使用することはできません。)
プロトコールが充実
CTC15は治療専用機として、様々なプロトコールが充実しています。
犬や猫の体重や毛色、照射部位はもちろんのこと、疼痛緩和や傷の治療、口内炎の治療など、治療目的によってももっとも最適なレーザー光が必要な時間だけ照射できるようになっています。
必要項目を入力すると自動で設定が完了し、最適な条件や照射時間でレーザー照射することが可能になっています。自動的に周波数やレーザー照射のパターンを変えながら照射してくれるため、半導体レーザーの機能をより効果的に使うことができるようになりました。
安全性が大幅に向上
CHEESEⅡは直接レーザー先端を患部に当てる治療が必要であったため、レーザー光が出る先端部がむき出しになっていました。レーザーの先端部はかなりの高温となっているため、直接皮膚などにあたると、やけどをしてしまう可能性があります。
そのため、従来の半導体レーザーは暴れる犬や猫の場合、特に顔まわりや口の中などのレーザー照射は危険で行うことができませんでした。また、腰などにレーザーを当てる際には、先端部が毛にあたることで毛が焦げてしまうこともよくありました。
CTC-15は治療専用機となり、先端部が覆われているため、やけどや毛の焦げなどのリスクもなく、顔まわりや口の中に安全に充てることができます。
持ち運びができる(往診での治療が可能)
CTC-15は片手で運べるほど軽く、バッテリーも搭載されているため、持ち運びができます。
半導体レーザーの適応症例には関節炎や椎間板ヘルニア、褥瘡など起立困難であったり、移動が難しい高齢動物の病気が多く含まれます。
CTC-15は往診による治療も可能であるため、動物病院まで連れてくることが困難な方にもぜひ使ってあげたい治療機器です。
往診に関してはこちらのページもご覧ください。
半導体レーザーCTC-15の治療の様子
では、実際の治療の様子を、病院看板猫あいちゃんを例に見てみましょう。
- 半導体レーザーの適応症例かどうかを判断する
半導体レーザーは、もちろんすべての病気に使える治療ではありません。病気の種類や状態、場所などによっては病気を悪化させたり上体を悪化させることもあります。また、治療の効果が期待できないこともあります。
まずは、半導体レーザーの適応症例かどうかを見極めることが大切です。 - プロトコールを選択する
次に、CTC-15のセッティングを行います。
動物情報:動物種(犬・猫)、体重、毛の色、皮膚の色、毛の長さ、体型
病気の情報:病気の種類(関節炎・痛み・傷・口内炎など)、病変の部位、病変の大きさなど
以上の情報を入力すると、自動的に照射パワーや時間などが設定されます。 - 実際に照射する
レーザー光は目に入ると有害であるため、施術者や飼い主様だけでなく、動物もサングラスをして、レーザー光を直接見ないようにする必要があります。
以下のような状態でレーザーを当てていきます。
あいちゃんは以前腰痛をやったことがあり、馬尾症候群というしっぽの付け根の痛みが出る病気を持っていると思われます。半導体レーザーは馬尾症候群にも非常に効果的です。
レーザー照射をすると患部が温まり、血行が良くなるため、慣れると非常に気持ちよさそうにリラックスする子が多いです。
半導体レーザーCTC-15の適応症例
半導体レーザーの適応症例は非常に多くなっています。特に、以下のような症例に使うことが多くなっています。
- 椎間板ヘルニア
- 関節炎
- 口内炎
- 疼痛緩和(術後・外傷・炎症など)
- 創傷治癒の促進(術後・褥瘡・外傷・治りの悪い傷・骨折など)
- 肢端皮膚炎
- 耳介辺縁血管炎
- 外耳炎など
半導体レーザーによる治療はお気軽にご相談を
半導体レーザーは副作用なく、痛みなどもないペットフレンドリーな治療を可能にしてくれます。病気の種類や状態によっては薬の方が効果のあるもの、レーザーの方が効果のある物様々です。
おうちのわんちゃん・猫ちゃんでお困りのことがある方は一度ご相談くださいね!