新規医療機器導入情報~最新の生体モニターが入りました

久しぶりの投稿となりました。今回は先日導入した新規医療機器をご紹介いたします。

導入機器のご紹介

今回導入したのは、FUKUDA M-E AM140という動物用生体モニターです。生体情報モニターとは、主に手術などの麻酔時に動物の状態を知るために使う医療機器であり、全身麻酔を行う動物病院には欠かせない設備となります。

FUKUDA M-E AM140

では、今回導入したFUKUDA M-E AM140によって何がわかるのかを簡単にご説明いたします。

  • 心電図モニター(最上段の黄色の項目)
    心臓の動きを評価します。心拍数の増減はもちろんのこと、心拍リズムの変化や波形の変化などをリアルタイムでモニターすることにより、麻酔が浅すぎたり深すぎたりするのを防ぐとともに、心臓機能の異常を素早く発見することができます。
  • SpO2モニター(2段目のピンク色の項目)
    SpO2は、動脈中の酸素飽和度を調べるためのモニターです。血液の中の成分であるヘモグロビンは、酸素を運搬する働きをしていますが、ヘモグロビンの何%が酸素を運搬しているのかを見るのがSpO2です。呼吸機能が落ちてくると、SpO2が低下し、体が酸欠状態になってしまいます。その酸欠状態をいち早く検出するのがSpO2モニターです。
    ちなみに写真の100の文字は、酸素飽和度が100%であることを示し、その下の107は一分間の脈拍数を表します。
  • 換気量モニター(3段目の黄色の項目)
    換気量とは、肺がどれくらいの空気を取り込んで吐くことができているかの指標です。1回の呼吸の換気量がVTで、1分間の換気量がMVとなります。
    呼吸数がしっかりしていても、呼吸が浅かったり、肺のふくらみが悪いと換気量が低下し、酸欠になったり二酸化炭素が体内にたまってしまったりします。
    以前使っていた生体情報モニターにはなかった項目ですが、早期に呼吸状態の変化に気づくことを可能にしてくれるモニター項目です。
  • 二酸化炭素濃度モニター(4段目の水色の項目)
    二酸化炭素濃度のモニターはETCO2(終末呼気二酸化炭素濃度)と呼ばれ、呼吸中に含まれる二酸化炭素の濃度を測定するモニター項目です。二酸化炭素濃度は息を吐いたときに増え、息を吸うときに少なくなります。上の写真では、吸気中の二酸化炭素は13・呼気中の二酸化炭素は43となっております(その下の40は呼吸数を表します)。
    二酸化炭素濃度を調べることで、十分な呼吸ができているかどうかだけでなく、麻酔深度が深すぎないかどうかなどもみることができるため、非常に重要なモニター項目だと考えています。
  • PVループ(3~4段目の右にあるボックス)
    この機種の最大の特徴がこのPVループです。肺の圧力(P)と容量(V)を視覚的にみることができるため、肺の膨らみやすさや圧力の状態をリアルタイムで把握することができます。数値ではなくループの形として見ることができるため、瞬時に肺の状態を理解することが可能となり、麻酔トラブルの予防に非常に有効となります。
  • 血圧(最下段の中央)
    皆さんになじみのある血圧はその名の通り、血圧(血管の圧力)を調べるモニター項目です。血圧が高いか低いかを見ることで、術中の低血圧や高血圧を予防・治療するために必要となります。
    写真では、109が最高血圧、68が最低血圧、82が平均血圧となります。
  • 体温(血圧の右)
    体温を測るためのプローブもついておりますので、食道温を連続的にモニターすることが可能です。当院では加温機能の付いた手術台を使用していますので、手術中に低体温になることは少ないですが、麻酔のアレルギーによる高体温や長時間の手術による低体温を予防するために必要なモニターとなります。写真では体温は36.7℃となっております。
  • 麻酔濃度(最下段の右端)
    当院での麻酔は通常、注射の麻酔薬で導入し吸入麻酔薬で維持をする全身麻酔を採用しています。吸入麻酔の濃度は麻酔期のダイヤルで調節していますが、実際に体の中の麻酔の濃度を調べるためのモニター項目が麻酔濃度です。吐いた息と吸った息にそれぞれどれくらいの濃度の麻酔薬が含まれているのかを調べることができます。
    写真では、吸った息には2.7%、吐いた息には2.4%の吸入麻酔薬が含まれることになります。

生体情報モニターは縁の下の力持ち

普段の診察で使う血液検査機器やレントゲン診断装置と違い、生体情報モニターは飼い主さんにはあまりなじみのない機械になるかと思います。しかしこの記事でご説明した通り、生体情報モニターは犬や猫の体の様々な情報を我々獣医師に教えてくれる、手術をするためには必要不可欠な機械となります。

動物病院での手術のほとんどが全身麻酔を使った手術であり、命の危険がある全身麻酔をできるだけ安全に行うため、当院では最新の生体情報モニターを導入しました。幸い当院では麻酔や手術に関連したトラブルは現在まで一件もありませんが、今後も安全性の高い麻酔を行うため、最新の生体情報モニターによるモニタリングだけではなく、五感を使った麻酔管理を徹底して行っていこうと思っております。

追伸

外来が少しずつ忙しくなり、投稿の間隔が伸びてしまっていること申し訳ありません。

 

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