食物アレルギー

食物アレルギーとは

食物の主にタンパク質への過剰な免疫反応により、皮膚の痒みや嘔吐・下痢などの消化器症状を引き起こす病気です。
季節に関係なく症状があり、比較的若い年齢での発症が多くみられます。

         

犬の食物アレルギー

皮膚症状はアトピー性皮膚炎と似ていますがアトピー性皮膚炎よりも強い痒みを引き起こしやすく、遊びや食事中に突然掻き出すこともあります。また、皮膚症状の他に嘔吐や慢性的な軟便・下痢などの消化器症状もみられます。
皮膚の状態が悪化すると2次感染を引き起こすこともあるため早期の治療が大切です。
急にアレルギーのような症状が出始めた場合は2週間以内にフードの変更やおやつの変更をしていないか確認してみてください。

症状

1歳未満から発症している
 食物アレルギーは比較的若い年齢で発症することが多いです。

季節に関わらず1年中症状がある
 季節によって痒みにバラつきがある場合はアトピー性皮膚炎の疑いがあります。

お腹・背中・肛門周囲に痒みが出る
 他にも手足や顔まわりに痒みが出ることもあります。

外耳炎を繰り返す
 食物アレルギーのわんちゃんの55%が外耳炎を起こすと言われています。

排便回数が1日3回以上
 軟便や下痢が続く場合も要注意です。

診断・検査

除去食試験

 

今まで食べたことのない成分の療法食に変更をします。

変更後症状の改善が見られたら元のフードに戻し、症状が再発するか確認します。
症状の再発があれば食物アレルギーと診断されます。

 

 

アレルギー検査

 

血液を使用して検査を行います。

食物アレルギーにはIgE検査(Ⅰ型)とリンパ球反応検査(Ⅳ型)の2つの検査が必要です。
100%正確な結果が出る検査ではないため診断には使用できませんが、アレルギーの出やすい成分を避けたフード選びの指標として使用できます。

猫の食物アレルギー

食後に皮膚の赤み・湿疹が出たり、体を掻きむしることによる脱毛などの皮膚症状や、アレルギー性胃炎・炎症性腸疾患などの消化器疾患(慢性的な下痢や嘔吐)などがみられます。
また、アレルゲンを吸引することにより起こるアレルギー性気管支炎(喘息)を引き起こすこともあります。

症状

若い頃から発症している
 食物アレルギーは若い年齢~中年齢頃に発症することが多いです。

季節に関わらず1年中症状がある
 1年を通して頻繁に吐く、下痢をすることがあれば要注意です。

痒みにより皮膚を引っかいたり、舐め壊すことがある
 掻き壊し、舐め壊しなどにより脱毛することもあります。

咳、喘息などの症状がある
 猫ちゃんの食物アレルギーでは皮膚症状、消化器症状以外に呼吸器症状が出ることもあります。

診断・検査

除去食試験

 

今まで食べたことのない成分の療法食に変更をします。

変更後症状の改善が見られたら元のフードに戻し、症状が再発するか確認します。
症状の再発があれば食物アレルギーと診断されます。

食物アレルギーの食事管理

アレルギーの原因を避けたフード

食物アレルギーの原因となっている成分が特定できている場合はその原因となっている成分を与えないようにしましょう。フードやおやつのパッケージ側面や背面には必ず使用されている原材料名が記載されていますので確認をしてから与えるようにすることでアレルギーの原因を避けることができます。

リスクの少ないフード

アレルギーの原因が特定できない場合には今まで食べたことのないフードを選びましょう。食物アレルギーは初めて食べるものに対しては起こらないため、今までに食べたことのない成分(原材料)を使っているフードを選ぶことでアレルギーのリスクを減らすことができます。

消化吸収のいいフード

消化のいいタンパク質を使用したフードを選びましょう。消化吸収のいいタンパク質は体内で小さな分子に分解されます。小さく分解されると体にアレルゲンとして認識されにくく、アレルギー症状を起こしにくくなります。

 

食事アレルギーは1度の治療で完治するものではなく、一生付き合っていく病気です。
フードを変更し症状が改善された後に元のフードに戻すことで症状は再発します。また、食物アレルギーを考えたフードに変更してもおやつ・人のご飯を与えていると症状が治まらないこともあります。決められたフード以外は基本的に与えないように注意してください。

症状の改善までは1~2か月程かかることがあります。すぐに変化がみられないことで不安になってしまう飼い主さんも多いですが、指定された食事は変更せずにわんちゃん・ねこちゃんの様子を観察しましょう。