歯科処置

わんちゃん・猫ちゃんの口腔内の環境はヒトと大きく異なり、虫歯はほとんどない代わりに歯石が非常に付きやすくなっています。

歯石は口臭の原因となるだけでなく、歯周病によって口の痛みを引き起こし、歯が抜けてしまうこともあります。また、歯周病菌やその毒素が血流にのって心臓・腎臓・肝臓に回ってしまうと、腎臓病や心臓病などのリスクを高めて、寿命にも影響してしまいます。
歯石はお家でのデンタルケアで予防することもできますが、すでに付いてしまった歯石は歯磨きでは取ることができないため、麻酔下での処置が必要となります。

スケーリング(歯石除去)

歯表面・歯周ポケット内に付いた歯垢や歯石を専用の機械を用いて除去します。全身麻酔下での処置になりますので痛みもなく、普段は磨きにくい奥の歯までしっかり確認をしながら綺麗にすることができます。付いてしまった歯石を置いておくと細菌が増えやすくなり、歯周病が悪化する原因にもなります。口腔内を健康な状態に保つことで犬猫の寿命が伸びるというデータもあります。

スケーリングの流れ

    • 1 手術前日までに予約を取る。
    • 2 手術当日の午前中に来院。診察後飼い主さんは帰宅。
    • 3 お昼に手術
      全身麻酔
      口腔内全体を確認
      歯表面・歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去

      歯表面を研磨剤を付けたブラシでツルツルに磨いて終了

      手術時間約30分(麻酔時間約40分)
    • 4 午後の診察時間にお迎え
抜歯

ぐらついている歯や歯根が溶けてしまっている歯を抜歯します。全身麻酔下での処置ですが、抜歯する際には局所麻酔を打ちますので痛みはほとんどありません。歯根が溶けてしまっている歯を置いておくと顎の骨が溶けて折れてしまったり、鼻腔まで歯根の膿が出てしまい、くしゃみや咳の原因になります。抜歯をすることで口の痛みが減り食欲が上がったり、歯周病菌が全身に回るのを防ぐこともできます。

抜歯の流れ

    • 1 手術前日までに予約を取る。
    • 2 手術当日の午前中に来院。診察後飼い主さんは帰宅。
    • 3 麻酔時間が長くなると予想される場合は静脈点滴を入れる。
    • 4 お昼に手術
      全身麻酔
      歯科レントゲンを撮影し根本が解けている歯があるか確認

      局所麻酔を打つ

      抜歯が必要な歯は専用の器具を用いて抜歯

      歯表面・歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去

      歯表面を研磨剤を付けたブラシでツルツルに磨く

      麻酔から覚めた後に痛みが出ないよう鎮痛剤投与
      手術時間約30〜90分(麻酔時間約40〜120分)
    • 4 午後の診察時間にお迎え
    • 5 1週間後に口腔内チェック

注意事項

スケーリング・抜歯は完全予約制です。お電話か窓口でのご予約をお願いします。ネットからの外来予約ではお受けできませんのでご注意ください。
手術のご予約は1度でも当院を受診された方に限らせていただいております。身体検査や手術に関するお話をしっかりしていない状態では、手術の受け入れはできません。まだ受診したことのない動物の手術に関しては、お電話で仮予約は受け付けることは可能ですが、必ず手術前までに一度ご来院ください。
手術でお預かりする際に院内感染を防ぐため、ノミ・マダニの予防・混合ワクチンの接種をしていただく必要があります。薬剤に対するアレルギーや持病によって混合ワクチンの接種ができない場合はご相談ください。