マイクロチップについて

動物愛護法の改正に伴い、犬と猫のマイクロチップが義務化することになりました。現時点では、「ペットの販売」にマイクロチップが義務化されるだけで、今飼っているわんちゃん猫ちゃんにマイクロチップを入れなければならないということはありません。ですが、マイクロチップを入れることはいくつかのメリットがありますので、ぜひ知っておいてくださいね!

マイクロチップとは

マイクロチップは、マイクロチップは直径2ミリ、長さ12ミリ程度の円筒形の金属です。マイクロチップには15桁の番号が記録されており、専用の機械(マイクロチップリーダー)で読み取ると、事前に登録された飼い主様の情報がわかります。
写真は、撮影のために出したマイクロチップの装着装置とマイクロチップ(真ん中の小さな白い筒状の物。長さ1Cm弱になります。実際のものは、ご希望の方には当院でご覧いただくことができます。
アイビーペットクリニックマイクロチップ

マイクロチップの設置方法

マイクロチップは、太い注射針で犬や猫の体内に設置することができます。通常注射で使うよりも少し太い針を背中に刺し、針の中に入っているマイクロチップを押し出すと、犬や猫の皮下(皮膚と筋肉の間の部分)にチップを設置することができます。
針が太めであり多少痛みがありますが、基本的にはワクチンなどの注射を同じような方法で入れることができるため、よほど暴れる動物でない限り、麻酔などの処置は必要ありません。
アイビーペットクリニックマイクロチップ

マイクロチップにかかる費用

マイクロチップにかかる費用は以下の通りです(すべて税抜き価格)。

マイクロチップ代金:3,000円
注射料金:1,000円
再診料:600円(初診の方は初診料1,000円になります)

避妊・去勢手術など麻酔時にマイクロチップを設置する場合には、注射料金の1,000円はサービスとなり、マイクロチップ代金の3,000円のみとなります。痛みもほとんどなく、安全に入れることができるので、手術と同時のマイクロチップ装着がおすすめです。

また、マイクロチップは装着しただけでは単に番号がわかるだけであり、あまり意味はありません。情報登録は飼い主様が行っていただく必要があり、病院でかかる費用以外にデータ登録料を郵便局で支払っていただく必要があります。

マイクロチップ装着のメリット・デメリット

マイクロチップを装着するのにはメリットとデメリットがあります。

マイクロチップのメリット

迷子対策
マイクロチップの最も大きなメリットは、迷子になった時に見つかる可能性が高くなるということです。
マイクロチップリーダーは、動物病院や警察署、保健所などに置いてありますので、保護された犬や猫がそういった施設に持ち込まれた場合には、飼い主さんの情報がわかり、飼い主さんのもとに帰ってくることができます。

痛みや違和感・副作用などがない
マイクロチップの設置には、注射の痛みがありますが、マイクロチップが入っていても痛みや違和感はありません。また、ワクチンのような副作用も報告されておらず、現在のところ設置場所に炎症や腫瘍ができてしまうということもないようです。

初期費用以外には費用は掛からない
マイクロチップは最初に装着料とマイクロチップ代、登録料を払えばその後費用が掛かることはありません。データの変更(飼い主変更や住所変更など)にも現在のところ費用は掛かりません。

マイクロチップのデメリット

MRIを撮る時に邪魔になることがある
マイクロチップは、MRIの画像に影響することがあります。そのため、MRIを撮る際には一度マイクロチップを除去してから撮影する必要があります。実際にMRIを撮影する必要が出てくる犬や猫は1%もいないため、大多数のわんちゃん猫ちゃんにはあまり関係のない話にはなります。
レントゲンやCTには、マイクロチップは写りますが、撮影に影響することはありませんので心配ありません。

初期費用が掛かる
マイクロチップの装着および登録には総額4~5千円の費用がかかってきます。

痛みがある
激痛ではありませんが、痛みに弱い犬や猫の場合には嫌がって暴れてしまうこともあります。避妊・去勢手術などと一緒に行うと痛みはありませんので、避妊・去勢手術を考えられている方には手術時接種をおすすめいたします。

アイビーペットクリニックマイクロチップ
心臓病のチワワのレントゲン写真。写真左上(頸部)に白いマイクロチップがうつっている。特にレントゲン画像にはマイクロチップは影響しない。
アイビーペットクリニックイメージ
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